ハイポジションの上達を目指すなら

最近、奏法についての本をたくさん購入して読みました。

どれにも大いに触発されましたので、順々にご紹介したいです。

まず、川合左余子先生著、川上久雄先生監修の「いまさら聞けないヴァイオリンの常識」(音楽之友社)です。

この本のハイポジションの説明は、私の知る限り、かつてどんな奏法の本にもなかった充実した内容です。ポジション移動の章だけで20ページ以上、ハイポジション自体も10ページ以上ありました。

こういうのは、良い先生のレッスン室で必要のある生徒のみが受けられる指導であり、言葉や本にして第三者に伝えるのはとても難しいことでしょう。こうして出版されることは貴重なことだと思います。

例えば以下の記述は、大きな気づきになりました。

「ハイポジション(第4〜第13ポジション)では、手のひらを楽器の肩につけて支えにすると指の力が抜けて自由に動くようになり、またポジション移動も楽になります。ポジションが低い時(第3〜第5ポジションくらい)は手のひらが楽器の肩に触れ、ポジションが高くなるに連れて触れる場所が親指の根元の膨らんだ部分に移り、最後には親指の根元が楽器の肩の表板にのるようなかたちになります。」(48ページ)

こういう言い方は、生徒の暗闇を照らすことができる表現だと思います!

素晴らしい本です。