「あまえ子育てのすすめ」澤田敬 著
子どもに毎月絵本を届けていただいている、童話館ブッククラブ。
今月は親向けの本も一緒に配本されました。
筆者は小児科医で、多くの子ども達と親を見てこられる中で、こどもの「あまえ」をうまく受け止めてあげることがとても大切であると分析されています。
そして、子どもの虐待を防止するための活動として、NPO法人「カンガルーの会」を主催されています。
私達は、子どもをきちんとしつけなければと熱心になるほど、子育てがうまくいかなくなることが多々あります。
この本を読んでいると、筆者の、子どもに対する、また同時に子どもを懸命に育てる母親に対するあたたかい眼差しに癒されます。
また、多くの事例の分析を読んでいると、筆者の言う「あまえ」というものが解ってきました。
子どものわがままを何でも聞いて振り回されるというのではなく、問題行動の根底にある子どもの心を受け止めるということが大切なのだと解りました。
メソッドやスキルではなく、日本に昔からある子育ての心を思い出させてくれる本でした。
特に印象に残った言葉をメモしておきます。
・「今、子どもと楽しい時間を過ごすことは、子どもの心のアルバムに、楽しい物語写真を収めていくことです。その物語写真は、将来、子どもが、なんらかの困難に向き合ったときの拠りどころになるものです。
また、、やがて、子どもが親となったとき、その子の子どものころの、楽しかった物語写真が浮かびあがってきて、その物語写真に導かれるようにして、自分の子どもを育てることが出来ます。」
・「心の訴えは、心で受け止めましょう」