もう音合わせに悩まないハイテクペグ!

生徒が先日買った楽器は、すごいんです。

前に、思わせぶりに書いていた件です。

過去記事:門下生が面白い!

それは、ハイテクペグと言って、ドイツのウイットナー社のものにヴァイオリン製作者の森邦雄さん独自の改良を加えたものです。

つまり、ヴァイオリンなのに、コントラバスやギターのように、ネジが仕込んであるので、押し込まなくても簡単にくるくるまわり、かつ「ここ」というところで自由に止まれます。ペグが硬かったり、せっかくいいところで止まったのにクルンと戻ってきてしまったり・・また本番中に狂ったらどうしよう、という不安ともサヨナラです。また生徒たちがこれになったら、ヴァイオリンの先生がどれだけ楽か・・・。

こんな素晴らしいものはきっと普及するだろう。そして、もう古来のペグを使っている人がいなくなるのでは、と思ったのですが、森さんに伺うと、手間と費用の問題、そして技術的な問題(すべての楽器に取り付けられるわけではない)があるそうで、そうもいかないらしいです。

つまり、ウィットナー社製のオリジナルは、ネジの金具が重いそうで、それは楽器が重くなるっていうことです。これはさすがに、奏者にはメリットよりデメリットが上回りますよね。なので、森さんとしては、フルサイズでも分数ヴァイオリンのペグを使用し、ペグ穴を埋めて取り付けることで軽量化してこれを回避されているとのこと。「ウィットナー社が軽量のものを発売してくれればいいのですが・・・」とおっしゃっていました。

ともあれ、この初心者の生徒は、最初の楽器にこのハイテクペグを装着していただけたので、ペグの難しさを知らずに、音を聞くことに集中できていてラッキーです。

ちなみに、このベルギー製のヴァイオリンとスイス製の弓もお値段以上に素晴らしくて、生徒も私も大満足です。顎当ても森さん製作のオリジナルです。

前に私の顎当てを作ってもらった時の記事はこちら:

オーダーメイド顎当てという事件

※今は好みが変わって、この時のものではなく第2号を作ってもらって使っています。