弾くのが楽になった時がスタート

ヴァイオリンは、その「弾きにくさ」に悩む人の率が高い楽器です。

その難しい理由の一つは前回書きました。

私は、幸運なことに、恩師カトー・ハヴァシュ先生との出会いにより、今ではほぼ、弾きにくさがなくなっています。

しかし、そこで終わりではありません。いつでも何でも弾けるかというとそうではありません。

「弾きにくさがなくなって、自由になったときこそがスタートです」

というハヴァシュ先生の言葉通りでした。

その後、憧れだった曲の譜面を出してきてどんどん弾いて楽しむ日々もあり、その様子をブログにも書いてきましたが、ここにきて思いがけない方向に来ています。

それは、アドリブセッションをするという世界です。

私が教えていただいているFTJSの斉藤彰広先生がおっしゃるには、「音楽は90%生まれつきの才能で決まってしまっている。ただし、それは書いた譜面を弾くということに関してだから。アドリブは少し違っていて、その人の良いところを発揮していける世界」と。

そうなんです。クラシックは再現芸術の最たるものなので、昔の天才作曲家の音楽を譜面から体現しなければなりません。

いくら、ヴァイオリンを自由に弾ける奏法を得たとはいえ、私も才能がない方の人間なので、作曲家の素晴らしい世界に憧れて鍛錬すれど、どうしても、「この部分は弾けない」「難しい」「覚えにくい」などの溝があり、それを埋めようと、一生努力が必要です。多分、死ぬまで無理な曲が多いです。

だって、相手は歴史の淘汰を生き残っている天才なのですから。

人前で弾くとなるとなおさらです。

でも、アドリブは、他の人の音楽性に触発されつつ、その場で自分のできることの中で表現しようとするので、斉藤先生のおっしゃったことが、腑に落ちました。

 

今朝、このようなことを初心者の時から理解して実践する方を、私の所属しているFacebookのヴァイオリンコミュニティで見かけました。「ヴァイオリンでセッションならできるし、ピアノも習ったことない初心者だけど、アドリブならいくらでもできます」という年上の紳士が投稿されていたのです。空港に設置されたピアノで、やさしく、10分近くも音を奏でられている演奏動画もアップされていました。嬉しくなり、とてもモチベーションいただきました。

もちろん、クラシックの作曲家の曲は大好きで、これからも弾いていきますが、同時にアドリブに身を投じて、自分の耳や可能性をもっと開拓したいな、と思っている今日この頃です。

 

「私は、上手な人が辛そうに難しい曲を弾くのを聴くより、初心者が開放弦を楽しそうに弾くのを聴く方がずっと好きです」(カトー・ハヴァシュ”Twelve Lesson Course”より)

 

 

 

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