オケの配置について【芦塚先生Q&A】

芦塚陽二先生からコメントで教わったことのまとめ記事です。

これを読んで、どのような考えや原則でオケの並びを決めればいいのかがわかりました。おかげで、自信を持って自分の生徒の合奏配置を「Haydn並び(もどき)」に変更しました!

 

(石川)Q: 芦塚 陽二 先生のオーケストラは、奏者同士がすごく離れているのですが、これは弾きにくくはないのですか?「なるべく左右前後の奏者とくっつくように」と、私は教わってきたので、深く検討せず生徒にもそう指導していました。

 

(芦塚先生)A: それはとても鋭い良いご質問です。そのご質問には色々な場合を想定した回答があります。

先ず第一は、音のtime lagの問題で、orchestraで指揮者と上手袖のKontrabass奏者でも大きな音のズレが生じます。Kontrabass奏者やBaßTuba奏者は指揮のtaktよりも、早めに音を弾き始めてtime lagを調整します。音の早い楽器、violinやflute等はtaktに合わせて音を出します。それがtime lagのお話です。

この音の時差、所謂、time lagを防ぐ方法は、なるべく近くにくっついて演奏する事です。(一つ目の動画は、setting係がduoの時の配置を、離してsetしたので、上級生が自ら位置を直した時の動画です。)

 

 

その前に、予め知って置かなければならない事は、現代のorchestraの弦楽器群の並び方は、Stokowski並びと言って、20世紀の中頃からの並び方で、20世紀前半までは、baroque、古典派の並び、所謂、Haydn並びと称される並び方が普通でした。

それが教室で、baroqueや古典派の曲を演奏する時に並んでいる、1st、Cello、Viola、2ndの並び方、所謂、baroque並びと称される並び方です。

baroque時代はpolyphonyの時代なので、1stと2ndが交唱をします。教会の左右のgalleryに分かれて合唱や弦楽器が、真ん中に信者の人達を置いて、交唱をしました。

Pachelbelのcanonはcantus firmusの低弦と、三声のcanonですが、その交唱の効果を最も出す並びとして、お互いが一番遠い位置に分かれる・・というcanon並びというのを作りました。

つまり、1st、3rd、Cello、2ndという隣合わない並び方です。

有名なPachelbelのcanonも、通常は、所謂、Stokowski並びで演奏されます。オケの人達は追いかけるmelodieが隣のgroupから聞こえて来るので、演奏上難しい事はありません。

 

教室でも室内楽の場合などには、一般に合わせて、くっついて演奏をさせています。

 

 

それに対して、Leclairのduoは、baroqueの交唱のtechnikで演奏されるので、音の立体性、現代的に言うと、サラウンド効果を付けるために、客席に対して両サイドに分かれて演奏します。

 

 

baroque時代のorchestraの音楽は基本的にtriosonateの演奏形式を取ります。現代の並びでは、1st、2nd、Cembalo、continuo-Cello(gamba)と並びますが、それでは当時の交唱のstyleが活かされないので、教室では、baroque並びと同じに、1st、Cembalo、Cello、2ndと並びます。

 

 

以前、homepageに書いていた文章です。詳しくは下に説明をします。

http://music.geocities.jp/ashizuka_sensei/oke-narabi.htm

 

 

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2.オーケストラの並び方

 

orchestraの並びは基本的にはフル・オーケストラも弦楽オーケストラもおなじです。

フルオーケストラの管楽器の配置を書かなかったのは、管楽器群は、楽器の中で一番大勢を占める弦楽群の並びに準じて配置されるからです。

それ以上に管楽器は曲毎に楽器の種類や演奏する人数が変わります。

ハイドン等のオーケストラの初期の時代の2管編成の場合や、ワーグナー等の作曲家による大オーケストラのように、4管編成から、8管編成という巨大なものもあります。

同じ2管編成の場合でも、舞台の広さやひな壇の高さに応じても、或いは指揮者の好み(これが一番かな?)によっても、配置が換わります。

つまり、なんとなくaboutな配置はありますが、「本当はこれ!」といったものはないからです。

勿論、オケの団員や指揮者は、「自分達の並びが基本で、それが原則です!」と、怒ってくるのが見えるようですがね・・・・・。

 

ですから色々なオーケストラの並びと総称されるものは、基本的に弦楽オーケストラの並びによって決定されます。

 

現代で、 一番オーソドックスな並び方は、客席から向かって左から、楽器の音域順に、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、という順になる並びです。

 

 

コントラバスは上手側(客席から見て右側の、ヴィオラとチェロの後ろに並びます。

楽器の音域順に、順番に並んでいるので、これを教室では、仮に順番型のオケ並びと呼んでいます。

一番基本的な並び方です。

 

これに対して俗にミュンヘン型と言われているオーケストラの並びがあります。

 

グスタフ・ノイマンさんのバイエルン・放送交響楽団が良く使っている並びだからです。

中音域を支えるヴィオラを右端にもってきて、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並べます。コントラバスの位置はオーソドックスなオケ並びと同じ並び方です。

この並びは音がこもり易いviolaが客席側にあるのと、チェロが客席に向かって正面に相対するので、楽器の響きがよく、オーケストラ全体の響きが、とてもバランスよくとけあって良い響きがするので、日本のorchestraも、よくこの並び方をする事があります。

 

(石川注:私がいた頃の神戸フィルの写真。公式サイトから拝借しました。)

 

今現在、世界中のorchestraはこの2種類の弦楽器の並び方のどちらかを採用して、演奏をしています。

世界の標準のオケ並びと言う事が出来ます。

 

金管楽器や木管楽器の並びは、定型の並びを作る事は非常に難しいのです。

その理由は、オーケストラの曲は、その曲、一曲毎に、何の楽器を使用するかが、異なるからです。

ですから、金管楽器や木管楽器を何処に配置するかという大雑把な定型はありますが、それぞれの楽器を何処に配置するか?迄の細かい決まりはないのです。

 

つまり、幾ら細かい決まりを作っても、曲によって、その楽器の使用頻度や、使われ方も違うし、楽器の種類もその都度、曲毎に変わってしまうからです。

 

ちなみに、orchestraの並び方は基本的には、指揮者が決めます

指揮者は絶対君主なのですから!

基本的と言ったのは、頑固なオーケストラでは、そのオーケストラの並び方を変えないオーケストラもあるからです。

 

 

蛇足:

 

と言う事で、当然、ここで世界中の有名なorchestraの或る曲と、その曲に対する並び型の写真を掲載したかったのですが、ホームページ上では、プロのオーケストラの写真は、やはり、著作権や肖像権がうるさいので、写真を掲載する事は出来ません。

私の部屋には、資料として、結構、世界中のorchestraの写真が沢山あるので、一番カッコいいのはやはりカレンダーですが、それをスキャンして掲載する事は出来るのですが、ホームページは公共性の場所なので、それは出来ません。

すこぶる、残念です。

 

 

話は、佳境に入って、・・・・誰もが疑う事のないこの二種類のorchestraの並び方は、驚く事に、本当は第一次世界大戦以後、或いは第二次世界大戦の後で、確立した並び方なのです。

 

当然、20世紀に入ってからの事ですから、「誰がこの並び方を始めたのか?」という事は、資料的にも、かなり詳しく分かっています。

でも、私は不親切だから「誰が・・・・・」とは、書きません。

何故なら、資料を調べ始めると、諸説紛々で、それこそ、19世紀の後半まで戻ってしまうからです。

所謂、元祖争いになってしまうからですよ。

家が元祖だ!否、家元はこっちだ!!

いずれにしても、ストコフスキー辺りが、オケの並びを確率して、アッという間に世界中にその並び方が広がって、定型になったと言うのが一般的かも知れません。詳しいお話は「大崎 滋生さん」の本を参考にしてください。

 

 

残念ながら私はまだよく読む機会がないので・・・。

私の資料とはまた少し違う主張のようなので、是非読んで見てください。

 

いずれにしても、・・・・

いや~、それは驚いたねぇ~??

 

つまり、古典派の時代ではなく、SchumannやBrahms達が活躍したロマン派の時代ですら、traditionalな昔のオーケストラの並び方をしていたのです。

 

では、昔のオーケストラの並び方というのは、いったい全体どういうならびかただったのでしょうか?

 

実は、baroque時代から、古典派、ロマン派、近代に至るまで、オーケストラの弦楽器は、左から、1st,violin、cello、viola、2nd,violinの順に並んでいました。

そして、1st,violinとcelloの後ろにKontrabass(なんと下手側!!)にならんでいたのです。

この並び方の基本になったのは、Haydnが残した、自分のorchestraの演奏に対してのセッティングを指示したメモ書きによります。

それ以降の音楽家達はHaydnの残した資料に従ってorchestraの並びを決めています。

この並び方を教室では、「Haydn並び」と呼んでいます。

Haydnの名誉のためにも、確認しておきますが、Haydnが常にその並びを使用していた分けではありません。

オーケストラの規模が大きくなって、オーケストラが舞台に乗り切れなくなると、当然、その都度並びも変わってきます。

今日残されている、一番面白い型は、1stviolinと2ndviolinが左右に並び、それぞれの後ろにviolaとcelloKontrabassが二手に別れて、その後方に配置されるスタイルです。

まだ専門の演奏会場が無かった時代の苦肉の策と言えるかも知れません。

つまり、会場の規模やオーケストラの人数でその都度、最良と思われる並びを作って行ったのです。

 

もしも、後、1st,violinが左手に移動してしまうと、現代のオーケストラの並び方と全く逆さまの並び方になってしまいますよね。

 

しかも、くどいようですが、その並び方が、な、な、な、何と!20世紀の初めまで!!!一般的な並び方だったのです。

(敢えて、言っておくと、これも諸説紛々なのですよ。 だって、演奏する人数もその都度違うわけだし、昔は、今ほどきちんとした定まった人数で演奏していた分けではないので、並びもそんなに今のようにきちんと決まっていたのではないからです。)

 

 

3.私達の教室のオーケストラの並び方のconcept

 

という事で、伝統を重んじる(一義に考える??) 私達の教室では、基本的にはそのbaroqueから古典派、ロマン派まで、続いていた本来の伝統的な並び方を、する事が良くあります。

先程の「Haydn並び」の並び方は、実はHaydnが考えた並び方のように、一般的には言われていますが、実はそうではありません。Haydnよりも前の、バロックの時代から、そう並ばれていた「バロック並び」でもあるのですよ。

教室でorchestraの生徒達に 「この曲はbaroque並びでやるよ!」 というと、それは「baroque並び」と同時に「Haydn時代の古典派の並び方」も兼ねるのですが、一般的にはbaroque演奏で超有名な「イ・ムジチ」ですら、そういった伝統的な並び方はやっていません。

勿論、イムジチは、violinも現代のviolinで演奏しているし、pitchだけは珠にバロックのpitch(A=415)で演奏している事はあるようですが、基本は現代のスタイルによる演奏です。

 

教室のbaroque並びは、世界中でも珍しいtraditional(伝統的)な(??)orchestraの並び方なのです。

 

 

しかし、アイロニカルで、ヒネた私は、バロックの音楽を演奏する時には、orchestraの並び方にもう一ひねりを加えて、現代では、教室独特の「orchestra並び」で発表会や対外演奏活動の時には並んでいます。

このオーケストラの並び方は、Vivaldiやcorelli等のbaroque時代の作曲家の音楽の立体性、ステレオ型の性格を生かしながら、現代の一般的な並び方になれた一般の方達のために、両方の良い所取りの並び方で、1st,viola,cello,2ndと並んで、当然、オーソドックスに2ndとcelloの後ろにKontrabassが来る並び方です。

実は、この並び方は19世紀の後半から、20世紀に入るまでのオーケストラの一般的な並び方だったのですが、その時代にはバロックの演奏は行なわれていなかったので、通常のオーケストラの並びとして、使用されていたのです。

私の場合には、通常のバロックや古典派の音楽の場合には、バロック並びか、教室のオーケストラの並びを使用しますが、ロマン派や近現代の演奏をする時には、標準型かmunchen型の並びを使用します。

 

 

4.何故今更、baroque並びなのか?

VivaldiやcorelliやBach達が活躍した複音楽の時代では、演奏された場所が教会であった場合が非常に多かったのです。

ですから、歌は祭壇で神父様が歌ったり、orchestraはorgelと同じ上手側のサイドか、後ろのorchestraボックスに位置することが多かったのです。

Bachはカンタータ等で右側と左側の天井桟敷を利用して、天上から天使の歌声が聞こえてくるように合唱を配置しています。

 

 

つまり、baroqueの作曲家達は現代の作曲家以上にステレオ、・・いやサラウンド効果に卓越していました。

ですから、多くのbaroque時代の作品が、常に1st と2ndのパートの交唱、(所謂、キャッチボール)をします。

その立体効果(サラウンド効果)が最も生かされるのは、実は、現代的なオーケストラの並び方ではなくって、baroque時代からのトラディショナル(伝統的)な本来のオーケストラの並び方なのです。

 

そういったキャッチボールの面白さ、baroque音楽の面白さを最大限に引き出すために、教室では豊かな響きのする現代的なオーケストラの並び方ではなく、traditionalなbaroqueの並び方をしているのです。

 

 

5.basso continuoの並び方

baroque音楽は通常「ritornellol」という形式で作曲されています。「ritornellol」は適切な訳語がなく、循環形式とも訳されていますが、orchestraの部分とsoloの部分が交互に出てくる形式だと思ってください。

 

orchestraの部分は全く同じに繰り返されるのではなく、繰り返されるたびに少しずつ形を変えます。A:「今日はとても良い天気だ。」とすると、2回目に出てきたときにはA´「今日は良い天気だ、」、3回目はA”「とても、とても良い天気だ。」と姿を変えていきます。その間、間にsoloのグループはsolo楽器と通奏低音のチェロとCembaloを従えてsoloのテクニカルなpassageを弾きこなしていきます。(技術をひけらかして・・・と言った方がよいのかな??)

 

baroque・solo・concertoの他には、より大きな演奏形態であるコンチェルト・グロッソというジャンルがあります。これは音楽上(作曲上)の形式は、そのままritornellol形式である事には変わりはありませんが、演奏形態がsoloではなく、baroque時代のもっともポピュラーな演奏形態であったtriosonata(二本のsolo楽器と通奏低音のチェロとCembaloの組み合わせ)と、stringorchestraが協奏する演奏形態のジャンルです。

 

いずれにしても、通常、一般的には ソロ・グループ(ヴァイオリンコンチェルトであればソロヴァイオリン、チェンバロ、通奏低音のチェロ)はオーケストラのmemberの中で演奏します。

意味が分かりにくいですね。つまり通奏低音soloのチェロの奏者もオーケストラのチェロ群の中で演奏すると言う意味です。

 

私はbaroque独自のbasso continuoのグループを、ソリスト群として捉えて、orchestraのセンターにsoloグループとして配置します。

このbaroqueconcertoの独特のセッテイング法は、私独自の考えに基づいたものです。

この写真では、cello-soloの子供がお花の前でsolocelloを演奏しています。

 

basso continuo(通奏低音)celloを担当するお姉さんは、同じbasso continuo(通奏低音)を受け持つCembaloのお姉さんと、ほぼ同じ位置で演奏しています。

オーケストラのcelloはオーケストラの楕円軌道上の位置に居ます。

特筆すべき事は、この曲の並びはなんとbaroque並びではありません!

1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと、その後ろにコントラバスが位置する現代の通常の並び方になっています。

その理由はこのチェロのコンチェルトにはファースト・ヴァイオリンとセカンド・ヴァイオリンの交唱が出てこないから、baroque並びの特性が生かされないからです。

この曲の場合には、寧ろ、オーケストラ全体の響きを優先した方がよいからなのです。

ちなみに、ソロ楽器は出てきませんが、Pachelbelのcanonは、1st,violinと、2nd,violin,それに3rd,violinという同じ種類の楽器がカノンという追いかけっこをする形になります。

ですから、追いかけっこの音楽の立体性がもっとも生かせるように、左から1st,violin、3rd,violin、cello、2nd,violinの順に並んでいます。

この並び方も教室独自の並び方になります。

6.orchestraの歴史

Vivaldi時代のbaroqueの時代には、通常は指揮者もいませんでした。

ソロヴァイオリンの人が指揮者の役も兼ねていたのです。

当時のorchestraは、オーケストラと言っても弦オケだけなので、orchestraの団員の人数も通常12~15名ぐらいでした。(それでも大きい方かもね!?)

それにソリストや管楽器が曲にあわせて、その都度、補充される形をとっていました。

俗に言うトラよ!トラ!

Haydn、Mozartの古典派の時代になると、弦楽器の人数も増えて大人数になってきます。

とは言っても、私達が考えるオーケストラの人数とはまだまだ隔たりがあります。

で、ここで恒例の蛇足:

イ・ムジチの編成

イ・ムジチは1952年聖セチーリア音楽院の卒業生12名によって組織されました。当時の編成はヴァイオリン6、(所謂、1st、2ndの合計です。)ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、Cembalo1です。

この人数は、baroqueensembleとしては、オーソドックな(標準的な)編成だといえます。管楽器はそのつど、外部から入れて演奏していました。

古典派になると、少し編成も大きくなります。Haydnの残している資料によると、1stが8名、2ndが6名、viola、4名、cello、4名、Kontrabass、な、な、何と4名だそうです。

では、何故、baroque時代にはfullorchestraがなかったのか?

それは、管楽器の発達の歴史に関係してきます。

Haydnの時代には、まだベームが管楽器を改良する前だったので、クラリネットはまだ一般的ではなく、他のクラリネット以外の管楽器も自然管なので演奏は超人的で大変難しかったのです。

という事で、もし一般的な2管編成のオーケストラと言っても、金管楽器抜きの、クラリネット抜きの木管・・・・flute、oboe、fagotto・・と、運よくhornかな??

勿論、2人ずつ!

でも、管楽器は自然管なので、実際にはどんな音がしたのかは、想像に難くはありません。

10発の内に9発は外れても仕方がないかもね。

興味のおありの方は、自然管で演奏したHaydnのシンフォニーのCDがあるそうなので、聞いてみてください。(私のは何と、オープンリールなので、目下聞くことが出来ません。当時はオープンリールが一番音が良かったのでネ!)

ということで、baroque時代も古典派の時代も、作曲家は基本的には弦楽オーケストラのために作曲をしました。

それに、その時に作曲家の身近に優秀な管の奏者が居たら、適宜に、曲の中に管のパートを取り込んだのです。

ですから、Stamitzや初期のHaydnの作品等は、管楽器がいなくても演奏には困らない曲が多いのです。

私がまだ音楽を勉強し始める前の中、高生の頃の話ですが、Beethovenのシンフォニーの譜面(スコアー)を初めて見て、「Beethovenは何で管楽器にこんな変な(不自然な)動きをさせるのだろう?」って疑問に感じていました。でも、当時、音楽の先生でシンフォニーのスコアーなんか見る先生はいなかったし、ブラスも等々、私が高校を卒業するまで無かったんだよね。

そんな、戦後の段階の世代の時代さ!

当然、その疑問に、質問しても答えてくれる先生はいなかったね。

ただ「Beethovenの時代の管楽器は、全部、自然管で出来ているから、その書かれた音しか、出なかったのだよ!」と教えてくれればよったのですがね。

今は、戦後も66年ぐらい経っているから、そんな初歩の初歩の事ぐらい、何所の中、高の先生でも、ホイホイと答えてくれるよね!    ネ・・? ・・・・ネ・・・???

 

ーーー以上Webサイトより引用ーーー

 

また、一般的には、Cembaloは弦楽器奏者にとては、頗る邪魔になるので、写真のように後方

に追いやられていますが、弦楽器奏者の後方にCembaloを置いては、Cembaloの音は殆ど聞こえません。

 

教室のbaroqueの並びでは、soliのgroupがorchestraのアーチ型の中に入って、soloとbasso continuoの並びをする事で、soli-groupを際立たせています。Cembaloも前に来る事に拠って、かなり聴こえるように改善されています。

また、doppel-concertoの場合もorchestra-groupの前列にtriosonateの配置で、2台のsoloとCembaloとcontinuoのCelloを起きます。orchestraと全く同じ配列になるので、soloとorchestraの交唱がとてもsmoothになります。

 

 

triosonateの形式のdoppel-Cello-concertoですが、1stCelloと上手側の2ndCelloなのですが、上手側の2ndの後ろで弾いているお姉さんはcontinuo-Celloです。continuo-Celloはtuttiの時にはオケCelloを弾くので、後方のorchestraのCelloが一人で弾いているように見えますが、実際にはcontinuo-Celloと2人になりま

 

す。orchestraのpartのbalanceのお話です。

orchestraの並びに関してのお話は、endlessになるので、今日はここまでにします。

 

あっつ!!一番肝心要の事を言うのを忘れていた。

orchestraの立ち位置を離すのは、演奏する人数が非常に少ないので、orchestraの左右の立ち位置を決めて、それから半円状に並べて、恰も、人数が多いように見せるためです。このvideoの並びでも、Cembaloの後ろには、誰もいません。でも、Cembaloがいるので、そこがちゃんと埋まっているでしょう??人数が少ない事がバレないようにする配置です。右手左手のconcertmasterの位置は決まっているので、そのままの配置で、人数を増やします。つまり、1stのtopと2ndのtopの位置は動かないのですよ。人数が増えればこのまま、2列、3列と増やして行きます。ハイ!

 

Cello-soli2,1st3,2nd2,Viola2,Cello2(continuo1)Kontrabass2の14名の編成です。

 

 

canonはcanonなので、1列で演奏する事が出来ます。だから、「揺らし」の勉強を全員で練習するにはとても適しています。と言う事で振り付けを「canon体操」として教えて「揺らし」を学ばせています。

 

 

 

 

 

KontrabassやCelloの定旋律(cantus firmus)に対して、上3声の動きがcanon(追いかけッコ)をしますが、通常のオケ並びでは3度のharmonyとして演奏して行くのが常です。

教室のcanon並びでは、それぞれのpartが対角線上に並ぶので、3度のharmonyではなく、melodieの対立として演奏されます。

並びを変更するだけで、polyphonyとしてのcanonの音楽が表現出来るのですが、それには、耳で相手のpartを聴いていては、音のtime lagが起こるので、一般的にはその対角線上の並びの演奏は日本ではされていないのです。

指揮者を立てて、その指揮者の指揮に対して、相当のresponseのある弦楽ensembleならば、対角線の並びの演奏も可能なので、日本のオーケストラでも、pro-オケで信頼のおける指揮者の指揮でならば、演奏は可能かも知れません。

指揮者を立てなくて、(或いは、amateur-orchestraで)対角線上に並ぶ事は、一般的に演奏上非常に危険を伴います。

そこに「揺らし」による視覚的なtempo感が絶対的に必要になってくるのです。でも、日本のオーケストラの場合には、そういった「揺らし」はamateurのやるものだとして蔑視しているので、勿論、proオケで「揺らし」をやるオケはありません。

という事で対角線上のcanon並びも無いのですよ。

 

ご質問の、何故、舞台上を目一杯に離れて演奏するのか??というご質問の、お答えはこういう所でよろしいでしょうか??

回答はendlessになってしまうので、、

 

石川:芦塚 陽二 先生 200%のお答、大変恐縮しています。本当にありがとうございました。