ハヴァシュ式(12)〜移弦と色々な音幅

移弦(移弦なし奏法)

 ヴァイオリンの技術の中でも、多くの方が困難を覚えるのが移弦ではないでしょうか。ワークショップでも、ヴィブラートと並んでご質問が多いところです。

「努力」によってかろうじて曲のメロディーを止まらずに弾けるようになったとしても、移弦が多発する箇所に来ると、たちまち雑音がまじり、音程も悪くなり、まともに弾くことはできなくなっていませんか。

 ハヴァシュ式で学んでくると、「移弦はない」という境地を体験することができます。
「歌う」ことが出来れば、ごく自然に左と右は強調し、移弦を、まるで一本の弦で弾いているごとくスムーズに弾くことができます。

 移弦はハヴァシュ式で、”No-string-crossing”(移弦なし奏法)として、ハヴァシュ先生のワークショップやレッスンではおなじみでしたが、いずれの書籍にも記載がもれておりますので、詳しくご説明したいと思います。

 ハヴァシュ先生はレッスンで移弦にスポットがあたると、何度も”Never, never, never ‘cross’ the strings”、「決して決して決して、弦を”渡ら”ないでください」とおっしゃったものです。

 ただし、それには「努力」によって獲得したこれまでの「右手のテクニック」を捨て去る必要があります。そして、このブログレッスン1より述べてきた「声とリズミックパルス」や、楽器・弓の構え、左右の奏法、両手の連携法を身につけている必要があります。

 そうすれば、あなたも今回お伝えする「移弦はない」感覚を体験することが出来るでしょう。