並んでるのに横入りされたら?

思わず口から出た言葉が、後から考えるとすごく利己的であり、恥ずかしくて身もだえすること、皆さんはありませんか。

私はしょっちゅうです・・・。

とっさに出る言葉って怖いですね。自分の未熟さが露呈する瞬間です。

内面の未熟さはそうそう簡単に治るものではありませんが、より人格の高い方ならどのような話し方をするのかを、形から真似るのも悪くないことと思います。

それで先日は、こんな本を買って読みました。

「話す力」が面白いほどつく本―効果は“スグに”現れます! (知的生きかた文庫)/三笠書房

この本で印象に残った箇所を一つご紹介します。

並んでいるのに自分の前に割り込んできた人がいたら、皆さんどうしますか。

私はこれまで、「並んでますよ」などと言っていました。

しかし、あまり良い言い方ではなく、お互い気まずかったり後味が悪いものでした。

言った私としても「別に急いでいないのに寛容さが足りなかったかな。でも割り込みは良くないことだし・・・」など割り切れない気持ちが残ったり。

この本にあったエピソードでは、「お急ぎなんですね」と言った人がいるそうです。そうすると、言われた人は自分が割り込んだことにハッと気がついて、謝罪して並びなおされたとのこと。

「お急ぎならいいですよ。けどもしかしたら割り込んだということを認識していない?」というニュアンスですよね。

いきなり「並んでますけど!」と正義をかざすより、相手に恥をかかせず、思いやりがある表現だなあと感心しました。

折りしも昨日、娘が楽しみに並んでいた科学館のパビリオンにて、他の小学生の子ども達に列を抜かされてしまいました。「並んでいるように見えなかったのかな」と、肩を落とし、私に助言を求めてきました。

「ああ、それはがっかりするよね。並んでますって言えればよかったけど、それも気が引けたんだよね。」と気持ちを受け止めた後、この本の中にあったエピソードを紹介しました。

著者の、「人間は、自分が正しいことを言っていると思ったとき、無意識に相手を批判したり、傷つけたりしているものです。このときに絶対に忘れないようにしたいのが、自分と違う相手を『人間として尊重する心』ではないでしょうか」

という言葉に深くうなずき、自戒しました。