先生(生徒)を嫌いになったら

先生を嫌いになったら終わりです。
尊敬出来ない先生に就いていて上達する訳もありません。
精神衛生上も悪く、それはあなたの演奏に影響します。
先生を嫌いと感じているなら、いつまでも先生を恨んだり、ぶら下がったり、依存していないで、さっさと次の先生を探す方にエネルギーを注ぎましょう。
少々自分の事情を曲げても、そうする価値はあると思います。

ところで、先生側が生徒(やその親)を嫌いになったらどうなるでしょうか。
先生も人間なのでそういうことは時々あります。
これは難しい問題です。

カールフレッシュ先生のかの有名な本には、こう書かれています。

「私がある生徒を虫の好かない奴だと思った時とか、或いはそう思うようになった時には、私は何時も他の先生につくように奨めている。そのような場合、私は自ら『悪い教師』の特性を発揮することを経験によって知っている。私は神経質になり、気まぐれになり、不当になり、生徒の演奏を始終中断し、全体についての見通しのセンスを失ってしまい、やがては、ただその生徒を出来るだけ早く自分の授業から閉め出したいという思いに駆られる。」(音楽之友社 カールフレッシュ著佐々木庸一訳「ヴァイオリン演奏の技法 下巻 P.222より引用)

また、カトー・ハヴァス先生はこうおっしゃっています。
ちなみにハヴァス先生は、有名な先生では珍しく、オーディションなしで先着順に生徒を受け入れられます。

「教師は生徒を大好きとまではいかなくても、少なくとも好きでいる努力をしなければならない」

私の少ない経験から話すと、過去私と折り合いの悪い生徒は、遅かれ早かれ、向こうから去って行きました。生徒がやめると言ってきたとき、私は、「天に恥じないやれるだけのことはやったし、やっと解放される」と清々しい気持になって生徒を見送るのです。

しかし、その時がくるまでは、私は努力して生徒の良いところを見つけたり、生徒が良くなるように出来うるサポートを続けますが、これには実は大変なエネルギーを使います。

そんなとき、カールフレッシュの言葉を思い出して、生徒のためにも早い段階で、別の先生のところへ行かせた方が、お互いの時間を無駄にしなくてもいいのではないか、という葛藤があるのです。