大きな音を出したい
ヴァイオリン奏者、特にプロ奏者は、大きな音を出したいという欲求、出さなければという強迫観念を持ちます。
このような衝動は、身体を固くし、楽器と弓を押し付けてしまいがちです。
しかし、ヴァイオリンは弦を震わせて、その振動が楽器の木や他の弦を共鳴させて鳴ります。
弦自体は細くて短くて、とても繊細なものです。
押し付けると振動は不規則になって音が潰れるだけです。
では、どうしたら響かせられるのか。
それは、なるべく振動できる場所はすべて振動させる、振動を妨げないことなのです。
そして、開放弦と同じ名前の音を弾くときは、開放弦が共鳴する音を左手が繊細なタッチで探すことは、するぐにでもできる方法です。
左手右手が接触している楽器や弓の木をもっと振動させるには、ギュッと握らず、ソっと触れることです。
そして、顎で挟んでしまうと著しく楽器の鳴りを押さえてしまいます。
力みは、肉体をいためつけるだけでなく、楽器の振動も妨げているのです。
最後に忘れてはいけないのは、ヴァイオリンの振動が、周りの空気を振動させ、部屋の壁を振動させて、家具を振動させ、聴いている人も振動させて、鳴り響くことです。
部屋全体という大きな大きな楽器を弾いているような意識を持ってみましょう。
詳しくは、「あがりを克服する」の本に一章を割いて、対策が書かれています。
「あがり」を克服する―ヴァイオリンを楽に弾きこなすために
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