本当のエコとは?
昨日わが町は、「缶・ビン・ペット」のゴミの日だったのですが、一つのゴミ袋が張り紙と共にゴミ置き場に放置されていました。「正しい指定ごみ袋で出されていません」という警告が貼ってありました。良く見ると、中身はよくわかりませんが、確かに「燃えないゴミ」のオレンジの袋で出してあります。市の決まった袋で出さないと持って行かないということです。これって、すごく違和感を覚えます。「そんな横暴な」、と思わずつぶやきました。
市民に何種類もの新品のゴミ袋を強制的に買わし、それに入れないと持って行かない、これって、本当に「エコ」なんでしょうか。
そんな疑問にずばり、納得の答えを書いてくれている本が「家庭で行う正しいエコ生活
」という本です。
著者は、このブログでも何度も言及している中部大学の武田先生です。
やはり、私の直感通り、わざわざ袋を生産する方が、わずかな石油で作れるレジ袋でゴミ出しするより、ずっと多くの石油を使うそうです。では、なぜそんなことが大々的に「エコ」として行われているのか、この本には詳しく書かれています。
読んだ後、腹が立って眠れなかったぐらいです。
大ざっぱに言うと、それで儲かる人がいるということと、役所がめんどくさがっているという、それだけだそうです。
同じように、ペットボトルのリサイクルの欺瞞にも触れられています。
ペットボトルはリサイクルしようと思うと、新品を作るよりもさらに多くの石油を必要とし、コストも高くなるそうです。なのに、なぜリサイクルなどするのか??やはり、利権と、「市民へエコの啓蒙をするため」という信じがたい理由だそうです。実際にはエコでないことはデータから自明なのに。
それと、ダイオキシン問題の欺瞞です。実は焼却炉でペットボトル等はとても燃えやすく、却ってエネルギー効率を高めるそうです。それを「ダイオキシン」問題を出して、いけないということになっていたのですが、実際ダイオキシンが出る条件はごくまれで、しかも出ても人体に害はないことが今では解っているそうです。どうりで、最近「ダイオキシン」と聞かなかったわけですね。
あと、ハイブリッドカーに載っている私たちも考えさせられたのは、電気自動車は走るときにCO2を出さないが、電気を作るときにCO2を出しまくって作られる、という視点でした。確かに、自分たちの周りがガス臭くなったりはしないので、環境にやさしいのかなと思っていましたが、結局のところ、直接ガソリンで動かすより、原発依存のエネルギーをたくさん使うことになり、自分たちの見えないところの環境を破壊するのだ、ということがわかりました。
この本を読んで、私たちがよく目にするエコ運動というのは、誰かが儲かるためのスローガンとして使われているということが多々あるのだと勉強しました。
結局、最も環境にやさしい生活というのは、物を永く使うことや、レジ袋やペットボトルを何度も使ってから捨てることであるとか、要するにおばあちゃん世代のつつましさを見習うことであるのだと改めて思いました。
冒頭で触れた、ゴミ袋何種類も買わせるナンセンスは早くやめてもらいたいです。武田先生は、ゴミを捨てない人はいないので、ゴミ袋代金分の「実質の増税である」と批判されていますが、その通りです。
そして、身体の不自由な人やお年寄りなど、思うように買い物に行かれない人はゴミ袋を切らしただけでゴミも捨てられないということになっています。
メディアリテラシーということも、考えさせられます。
誰が何の目的でその情報を流しているのか、本当に注意深く考えなければ、流されてしまうのだなと思います。