橋のない川

住井すゑさんの「橋のない川」
を読んでいます。7巻あるうちの、今3巻です。

人間というのは、ちっとも進歩していないのだなと暗澹たる気持ちになります。

心に潜む醜さや弱さ、権力を握る者の陥る傲慢さを、考えさせられます。

この小説は日露戦争後の日本の、貧しくも心は賢い若者の視点から描かれています。いわれない差別を受ける苦しみが、痛みを伴って伝わってきます。

登場人物の心の襞が生々しく伝わってくる文学、すばらしい作品ですので、重い内容ながら、夢中で読んでいます。

私の知らなかった、想像が及ばなかった、その頃の日本、江戸時代の日本、なぜ第二次世界大戦に突入したのか、今だに糸を引いている差別の問題などなど、とても考えさせられます。

「まいた種は刈り取る」というのが「カルマの法則」ですが、個人のカルマのみならず、前世からのカルマ、国のカルマ、地球のカルマもあります。

日本を選んで生まれてきたという時点で「国のカルマ」をも背負っているのです。

今まで、あまり「国のカルマ」といってもピンと来ませんでしたが、震災後、それが良くわかる気がします。