演奏にいらない”真面目さ”とは

【最新号のメルマガより抜粋です】

”真面目”な人ほど、あがりやこわばりが生じやすいという事実があります。

確かに、ヴァイオリン・ヴィオラを習得するには、注意深さやコツコツ取り組む情熱や自律は必要です。

しかし、ヴァイオリン・ヴィオラの演奏に必要のない”真面目さ”とは?

・自分の出した音に対する批判精神がメインで弾いている。

・先生に言われたダメ出しをびっしり楽譜に書き込んで、そこを弾く度に常に忘れないようにしている。

・少しでも上手く、できれば完璧に弾きたいと思ってしまう。

・まだまだ練習が足りないといつも感じている。

これらはすべて、「内から外へ」ではなく、「外から内へ」の精神です。

演奏の本質とは、「弾いている本人が楽しくて仕方がない、それが聴衆にも伝わる」というものです。

考えてもみて下さい。聴衆は、誰も、深刻な顔をして出てきて、舞台で悪戦苦闘する奏者を見たいとは思っていません。

まずは、「外から内へ」の批判をやめましょう。

人前で弾くとき、だけ、は無理です。

普段の練習からそれをするのです。

 

指先を動かすばかりの練習をやめましょう。

楽器を横において、全身を生き生きと脈動させながら、手をたたきながらフレーズを固定ドで歌います。

ポンプのように、内から外へと音楽のエネルギーを、作曲家が描いたストーリーを流します。

同じ短いフレーズを、今度はヴァイオリンと弓と共にやります。ただし、ここで「外から内へ」へ切り替わってしまわないよう、ヴァイオリンと弓を持っているのを忘れて、しかも、歌いながら弾きます。4〜8小節ずつの少しずつでやってみてください。

自分の音を批判する暇がなくなり、楽器を持っていても「内から外へ」エネルギーが流れ、楽しくなる感じがわかりましたか?

これが、「リズミックパルス」のエクササイズです。

ここからがスタートです。

ハヴァシュ先生のレッスンでも、私のレッスンでも、まず歌うことから始まります。