理解すれば、難しさは、ほぐれる
生徒がタルティーニのヴァイオリンソナタOp.10「捨てられたディド」を弾くことになったので、大昔に自分が習ったときの譜面を出してきました。
書き込みで真っ黒な譜面から当時の悪戦苦闘が蘇ってきます。
少し弾き始めて、「なんじゃこりゃ〜〜〜?!!」と絶句してストップ・・・。
ありえないボーイングやフィンガリングの嵐。
なぜにこんな指使いやボーイングで弾いていたのだろうか?
有名な○ーター版です。この版で、こういうことが前もありました。
バロック、古典の曲をするときは要注意です。
気を取り直して、まっさらなピアノ譜を見ながら、ボーイングやフィンガリングを付け直し、やっと弾ける曲になりました。
ご生前のハヴァシュ先生に、ボーイングを決めるのはどうしたらいいか、と質問したことがあります。
そうしたら、「そこの音楽が求めているボーイングにするだけです」と言われました。
そして、フィンガリングはどうして決めたらいいかを質問したときは、少し考えてから、「私なら出来る限り同じ弦で一つのフレーズを弾きます。」とおっしゃいました。
つまり、音楽で決めるということです。
これこそ、一生モノのシンプルな極意だと理解しています。