かわいい生徒たち

生徒を持つようになって始めてわかったことの一つ。

こんなに生徒のことがかわいいということ。

限られた時間しか教えない分、何かと、ものすごく心配でもあります。

でも、上手になったり、成長したなと感じたときは天にも昇るように嬉しいです。

子育てと同じですね。

しかし、自分自身長い間先生に育てていただいていて、そのことが全くわかっていない時もありました。

ずいぶん失礼なことをしてきたと恥ずかしいことだらけです。

生徒には、自分ひとりでやっているのではなく、自分に寄り添っている先輩(=先生)がいることを忘れずにいてほしいです。それが、プライドというものだと思います。

私も自分ひとりでやってきたのなら、苦しい時に、もっと簡単にヴァイオリンをやめたかもしれません。しかし、ヴァイオリンに人生をかけた先生方に、愛情を込めて多くの時間を割いて指導してもらってきたということが、プライドになりました。

そう簡単に、その人たちの労力まで無にしてしまうわけにはいけないのです。

私は、自分が教わってきた先生ほどの者には未だなっていませんが、かわいい生徒たちにはしっかり手をかけて大切に育てていきたいです。

今日の生徒の一人目は、最近ヴァイオリンを始める決意をしたTさんでした。

Tさんは元生徒のKくんのお母さんでもあり、今日は楽器を買って始めてのレッスンでした。約束の時間ピッタリに新しい楽器を抱えてやってこられ、私もドキドキしつつ、楽器を拝見。結果・・・きちんと調整された申し分ないものでした!よかったです!

前回のレッスンでお伝えしたことも練習もしてこられていて、これなら大丈夫と胸をなでおろしました。

そして、Tさんのヴァイオリンに向かう心意気の誠実さが言葉の端々に現れていて、本当に嬉しかったです。

これから、長い道のりを共に進みますが、上手になられる姿が楽しみです。

二人目は4年以上教えている弟子Fさんで、発表会の曲を二つの候補から絞って持ってきました。

Fさんは大人になってからヴァイオリンを始めました。去年の発表会ではヴィヴァルディのコンチェルトト短調を弾きました。

今年は短めの曲を暗譜して弾くことを目標に掲げています。

今日のレッスンでは、セブシックOp1とOp8、カイザーの後、ラフ「カヴァティーナ」の指遣いとボーイングの検討と、重音のところのさらい方などを指導しました。

Fさんは、長い音を豊かに弾くことが少し苦手でしたが、「カヴァティーナ」でじっくり取り組めそうです。今でも、良いヴィブラートが増えてきて、豊かな音が時々聞こえました。

上手に弾けるようになりますように(祈)。