「放射線について考えてみよう」小学生のための放射線副読本・・・
昨日子どもが学校から配布されて、持ち帰った本です。↓
表紙からして違和感がありましたが、中身を見てがっくりきました。
18ページ構成ですが、14ページまでは、放射線を発見したキュリー婦人がノーベル賞をもらったとか、放射性物質はレントゲン、医療器具の消毒、仏像の中の分析などに使用されて非常に役に立つものであるとか、決まった量以下をあびたからといって健康を害したりすることはなく、癌になるなどの因果関係も証明されていないとか、自然放射線を測ってみよう、などの説明に割かれています。要するに、”放射性物質はあって当たり前で、とにかく私達に身近なものであり、大変役に立っている””少量浴びても病気になるものではない”、という印象になっています。
中立的に事実だけ書いているように見せかけようと多くの労力が割かれていると見受けられますが、意図は見え見えです。
そして、下のページにほころびがあると思いました。
上のページでは、一ヶ月で半減する放射性物質(?)だけを例に取り上げて、いかにも放射性物質というのは数ヶ月すれば消えてしまうという印象を与えています。
実際、原発事故で放出された放射性物質は、ヨウ素だけは8日で半減だけど、他のセシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどは30年~300年もたたないと半減しないって、誰でも知っているのではないでしょうか。
明らかに歪めた書き方です。
そして、最後のほうに、やっと原発事故が起こった場合について軽く触れられています。
そこでは、「原子力発電所」と一言も書かず、「放射性物質を扱う施設」と置き換えているという狡猾さにも呆れました。
本の最後は、「退避や避難をする時、どのようなことに気をつけたらよいか、学校や家庭で話し合ってみよう」、と結ばれていますが、その前に、政府で、事故が二度と起こらないために脱原発への道をもっと話し合い、国民の信頼を回復するのが先ではないでしょうか。
子どもから取り込もうとするなんて、卑怯です。
大量に税金を使って、こんな本を配布するなんて・・・本当に腹が立ってしまいました。
作成したトップの人は、ネットで調べると「御用学者」としてお名前あがっていました。
私としては、下のフォームより、文部科学省にクレーム入れました。