スケールのグレード作ってます
ヴァイオリンには、鈴木、篠崎、”白い本”の3巨頭があり、それぞれに素晴らしいのですが、これだけでカリキュラムを組むことは出来ません。
なぜならば、あるところで急に曲が難しくなって、生徒がドロップ・アウトする罠があちこちにあるのです。
これまでは、色々探して、デュエットの曲を差し挟んだり、あちこちの教本から取ってきたり、ネットで探したり、複数の教本を買ってもらったり、などとやっていました。
しかし、先日見学させていただいた、芦塚先生の教室では、この問題にとっくに解決をみいだされていて、教室独自にレベル別に曲を縦断的に編纂したテキストをシステマチックに作っておられたのです。すごかったです!!
これには、大いに刺激され、私もあきらめずに、腰を据えて、自分の教室なりのカリキュラム作りをしなければと思いました。
嗚呼、若干気が遠くなりますが・・・。
でも、それが生徒たちの幸せに繋がるということを、芦塚先生の教室が40年の歴史で証明されていました。
◎過去記事:
それはさておき、私に今出来ることとして、スケールのグレードを作り始めました。
うちの教室では、スケールと一緒に、音楽の仕組みの勉強もしてもらっています。
これまで折に触れて、宿題のスケールを自分で書いてもらって、持ち帰らせていましたが、一度譜面に書いてみることにしました。そうすると自分も勉強になるので。
ただ、生徒に渡すかどうかは別問題です。
楽譜を渡すと暗譜せずに見て弾いちゃうので。それではダメです。
真面目な生徒ほど陥る罠として、スケール練習が目的化することがあります。
スケール本は、見て練習して上手になろうと頑張るものではなく、必要に応じて参照するものです。便覧なのです。
そして、市販のスケール本は、ポンと生徒に与えるには、必要以上に難しいです。
小野アンナ先生、カール・フレッシュ先生・・・どれをとっても内容は素晴らしいのですが!
※小野アンナ先生の本は、行間から、確固たるカリキュラムをお持ちだったのだと察せられます。
今でも新な発見に満ちた本です。
◎過去記事:
では、昨今のアマチュアの大人や、忙しい子どもたちが、月数回のレッスンで、年1回の発表会に出るという一般的なカリキュラムで、スケールの概念と技術を学ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
それは先生が、臨機応変に作ってあげるのがいいのです。
そういうレッスンをしていると、生徒も自分で必要な練習メニューを作れるようになるのではないでしょうか。
何もかも書いてある市販の本をそのまま与えず、本質的な考え方をレッスンで教えてあげて、挫折なく楽しく身につけばベストです。
そして、いつか上記の市販の本のスケールが嫌だと思うのではなく、「面白い!」と思えるようになるれば卒業です。