脱力と言われても、じゃあどこに力を入れたらいいのか?(1)

ルーチェの会ヴァイオリン・ヴィオラ教室講師、石川ちすみです。

さて今回は、

脱力と言われても、じゃあどこに力を入れたらいいのか?

ということについて書いてみます。

これは、力ではなくバランスを使う、というのが答えですが、
では具体的にどうすればいいのでしょうか。

まずヴァイオリンと弓を持った時点で反射的に握ってしまう癖を、
取り払いましょう。
つまり、ヴァイオリンと弓を”持たない”練習をします。

1)「ポトン、ペラン」の練習

・お化けだぞ~というときのジャスチャーのように肘を曲げて手首を前に下げ、
ただし、脇の下を気持のいい程度に身体から離して、どこにも無理が来ない
バランスの形を作ります。
これが「ポトン!」です。

・次に、この手を左右同時に、「ぺらん!」と言いながら、肘を起点に反転
させます。
ちょうど手のひらが上を向いて、手首は力が抜けていたら自然と反った形
で垂れている状態です。

・「ポトン!、ペラン!」と、リズミカルに言いながら、上記動作を10回
ぐらい楽しんだら、最後に左手だけ「ぺらん!」でやめます。
これで、ヴァイオリンを入れる空間ができましたよね?
右手は弓を持つ形になっていますね?

※肘が起点ということと、リズム良く、かけ声とともにやるのがポイントです。

2)「空飛ぶヴァイオリン」の練習

・「ポトン、ペラン」を9回やって、10回目に左だけペランをすると、ちょうどヴァイオリンを弾くような形になります。これが、ヴァイオリンが入る「揺りかご」になります。
・ヴァイオリンに向き合って楽器の右側の肩を横から右手で持って、楽器を床と
平行にし、右斜め前の人にスクロールを向けて渡すような格好をします。

・「1」という号令とともに、右手で持ったヴァイオリンを水平移動させて、
左腕で作ったゆりかごの中に入れます。つまり、左鎖骨と左手の親指と人差
し指の空間に入れます。(まだ右手は離しません)

この時、左肩や顎は決して迎えに行ったり挟んだりしないように、また左手
でネックを握らないように注意します。

・「2」という号令とともに、右手を楽器から離して元の位置まで戻します。

・「3」という号令とともに、再度右手を楽器の右肩まで持って行きます。

・「4」の号令とともに、楽器を元の位置まで右手で連れて帰ります。

・「1」でヴァイオリンをゆりかごの中に入れる etc…

上記を、リズミカルに、必ず声を出しながら行ないます。
どうでしょうか?楽器を挟まないでも保持出来るという感覚が少しわかります
でしょう?

(つづく)

今日はハヴァシュ式ニューアプローチから、二つのエクササイズをご紹介しました。
ハヴァシュ式ニューアプローチについて詳しくはこちら:
https://shaku8-ishikawa.com/violin/havas/

次回は、弓を持たない練習についてお伝えする予定です。