基本バランスの確立・スカイプレッスンの可能性

拙訳のカトー・ハヴァシュ先生の「ハヴァシュ・バイオリン奏法」(ヤマハ・ミュージックメディア)に次のように書かれています。

第二章 楽器の構え:「バイオリンの自然で、(結果として)正しい構えがいかに大切であるか、どんなに強調してもしたりないくらいである。奏者のその後の展望は、楽器が障害となるのか、身体の延長になるのかにかかっていると言えよう。」

第三章 ボーイング:「音というのは圧力によって生じるのではなく、弓の毛の表面の見えない小さなフックと弦との摩擦によって生じるのである。弓を押し付けると弦はたちまち自然な振動をやめてしまうので、人為的な動きや力みはすべて除去しなければならない。それには、正しい筋肉を使うことによって弓を支える腕、手、そして指が、非常に軽い、空中を飛んでいるような感覚を保てていることが大切である。」

ここまでを基本バランスと呼びます。

基本バランスができて初めて、音作りの共同作業者である左手を論じることができます。

基本バランスができると、ヴァイオリンを軽く感じ、弾くのが楽になります。

しかし、これがどういうものであるか、写真や文章だけで理解するのは残念ながら難しいと思われます。

そこで実際のレッスンでは、触れたり、触れられたり、目で見て確認してもらいながらじっくり会得していただいています。

ハヴァシュ先生も初心者へは、楽器と弓を脱力して持つことと、弓のあらゆる場所を脱力して弾けるまでは左手を導入されません。それほど、この基本バランスは大切な土台です。

「触れる」という要素が大切なレッスン要素なので、一般的には動画やスカイプでも難しいと思われます。

しかしながら、例外もあるようです。

オーストラリア在住の初心者の女の子は、昨年秋からのスカイプレッスンにて、この基本バランスを身につけることに成功しました。これには私も驚いています。

この7歳の女の子は、音楽が大好きでヴァイオリンを始め、何人かの先生から手ほどきを受けたことがありましたが、弓の持ち方や曲を弾くことにつまづいてしまい、お母さんも指導法に疑問を持たれて、私のブログや訳書にたどり着かれました。

お母さんは、生徒への日々のサポートはもちろんのこと、この実験的なレッスンが成功するように力強く私を支えてくれます。この成功はこのお母さんの熱意と生徒の才能両方があってこそと言えるので、今のところスカイプ生徒の一般募集はしていませんが、一筋の光と言えるかもしれません。

6月には日本に帰国するので、初めての対面レッスンが実現するを今から楽しみにしています。

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