芦塚音楽教室の楽典・室内楽レッスン

こちらの続きです。

過去記事:芦塚音楽研究所を見学しました!

 

日曜日の朝から、小学生の子どもたちが、楽器を抱えて意気揚々と千葉の花園教室に集まってきます。

芦塚音楽教室では、ソロのレッスン以外に、希望者はここで室内楽や楽典のレッスンを受けられます。

この日は、ハイドンの弦楽四重奏曲F:、モーツァルトのピアノ四重奏曲g:、などをリハーサルしていました。

 

芦塚メトードの訓練を受けた先生方(元生徒さん!)が、歴史が感じられる二部屋続きのお教室で、かいがいしく子どもたちの面倒を見られていました。

練習は温かい雰囲気ながら真剣で、生徒さんたちはまるで熱心なアマチュア音楽家たちです。

見学していて、小学生だということをつい忘れていました。

休憩時間には、学童保育のような華やいだ雰囲気になりました。

キッチンがあって、先生がりんごを剥いてあげたり、昼食のカレーを作っておられたりし、子どもたちは「先生いいにおい!私も食べたい!」と甘えていて、とっても家庭的です。先生のことをとても信頼しているのが伝わってきました。

 

教室の壁には、私でも勉強になるような色々な掲示物や、演奏会の写真が飾られています。

例えば、このそそられる写真の紙も、作成者名が生徒さんになっています。

 

 

皆が自分でこういうアイデアを出しあえるのが、ここのすごさです。

つまり、操り人形ではなく、芸術家を育てているということです。

オケ練習、発表会の緻密な進行表も貼ってありましたが、これらも、もしかしたら生徒さんが作成かも?

 

 

室内には芦塚先生が私財を投じて整えられた、子ども用サイズのコントラバスや、子ども用ヴィオラ、グランドピアノにアップライトピアノなどの楽器が所狭しと置かれていて、子どもたちは自由に手にしています。

小さい子どもが、ヴァイオリンからヴィオラにサッと持ち替えて、スコアを見ながら弾いてる光景は圧巻でしたよ!

 

 

 

楽典指導を受ける小2の女の子。

 

 

教室オリジナルの楽典のテキストは、素晴らしかったです!!!

子どもにもわかりやすく、そして演奏に、実践に役立つ内容でした。

こういう本が出版されていないのは、残念すぎます・・・。

 

写真の小2の女の子は、3歳からこの教室に入会し、この日はハイドンのセカンドヴァイオリンを練習していました。

小学生になってピアノにも興味が出て、今は両方習っていて、月2回のA・Bオケにも参加されているそうです。

 

カルテットレッスンが終わった後も、もっとやりたくて教室に残り、上級生からの指導で、暗譜を完成させることができていました。

指導している上級生は、教室のオケバックでもソリストをされている小4の女の子で、ファーストヴァイオリンとして、皆をひっぱっていました。

 

 

教室では、曲をしっかり理解した上で、演奏に集中できるよう、暗譜が推奨されています。

ソロはもちろん、室内楽、オケも暗譜で弾かれている皆さんの動画をYouTubeで見た時には、ぶっ飛びました!

見学してわかりましたが、作曲家視点ならではの、独自の暗譜メトードがあり、カリキュラムに暗譜の訓練が組み込まれているのでした。

 

以下の写真には、門外不出の暗譜メトードにかかわる内容が少しだけ含まれていますよ。

写真をジーッと見てみてご想像くださいね。

子どもたちはそれがアタリマエのことのように身についていて、下級生に指導していました。すごい!!

 

 

写真に撮り忘れましたが、チェロの上手な小3の女の子もいらして、室内楽はもちろんのこと、オケのソリストとしても演奏されていました。

 

一般のエリート音楽教育を受けている子どもたちのように、オーディションやコンクールのために、楽譜を注意書きで真っ黒にしながら1年も同じ曲を死ぬほど練習する・・・とかではなく、ここではバランス良く様々なレパートリーを勉強して、年に数回というきめ細かいスパンで発表させておられるようです。素晴らしい環境です!

ちなみに、子どもたちの楽譜をチラッと除きましたが、書き込みはほとんどなくて、真っ白!!練習番号をきめ細かく設定してあるだけでした。そして、皆スコアを見ていました。

 

ここで勉強できるなら、音大に行く必要はないのではと思いました。

 

 

オケ練習見学へつづく…