「りんごは赤じゃないー正しいプライドの育て方」

ヴァイオリニスト、鈴木睦美さんのブログ記事で知った本「りんごは赤じゃない」を読了しました。

 むつみさんのブログはこちら>>

卓越した指導力で生徒を育てておられる中学校の美術教師、太田恵美子先生に取材し、その教育を分析した本です。

りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方 (新潮文庫)/山本 美芽

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「社会や地球に貢献する人を育てる」という教育方針に沿った、信念の教育は素晴らしいと思いました。

しかし、子どもたちがコンクールで続々と入賞したり、不良でも太田先生の授業だけは前向きに取り組み、どんどん良くなっていくので、認められ尊重されて当然なところ、現場では他教師との軋轢も多く、孤独な闘いも強いられてこられたようです。

世間とは、人とは、厄介なものです。

教える者の端くれとして、自分は太田先生程の努力をしているのかと自問自答しながら読み、とても考えさせられました。

私が最も共感したのは、「全力を出させる教育」ということです。

全力を尽くしたものが認められるからこそ「やった!」という自信、プライドが生まれるのだと、「全力を出させる教育をしていなかったら認めることも輝かせることも出来ない」、と太田先生はおっしゃっています。

この一文には感銘を受けました。その通りだと思います。

普段私は生徒に、「取り組みが何より大切」と言っているのですが、それは言い方を変えれば、全力を出しているのかどうかが、取り組みを見ればわかるのです。

全力を出したもののみ、経験を通して自信やプライドという宝を得られます。そして、万一失敗したとしても、そこから多くを学ぶことができるのです。

それにしても、太田先生のように、私は生徒のことを深く理解しているのか、そして「愛されている」と生徒に感じさせているのか、と考えて、まだまだ足りないなと思いました。

この本を読んで、生徒に対して私ができることについて、色々なアイデアが湧いてきました。