「原発をつくった私が、原発に反対する理由」(菊地洋一さん著)

5月に直接お話を伺った、元GE原発技術者である菊地洋一さんが
本を出されました。「原発をつくった私が、原発に反対する理由」(角川書店)です。

私がその時にお聞きしたお話も網羅されていて、改めて、原発をなんとかしなければという思いに駆られました。

「完璧なものだ」と信じて何の疑いもなく入った原発の世界が、「本当にだいじょうぶなのか?」になり、「だいじょうぶなわけないだろう!」に変わるまで、それほど時間はかからなかった、と述懐されています。

一読して、現場の現実として、原発がとても危険で事故の可能性を含んでおり、存在する限り被曝労働者を出し続けていることが理解できます。

そして、「福島第一の原発事故が、地震ではなく津波のせいである」という発表が真実ではないことが、この本を読むとよくわかりますので、そう信じている方に読んでいただきたいです。

菊地さんはこのように書かれていました。胸に刺さりました。

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「放射能の被害というのは、未来の子供たちを殺すことだからです。

「福島の事故で死人はまだ出ていないじゃないか」と言う人もいるようですが、とんでもない能天気としかいいようがありません。核爆発に至っていないのはわずかな幸運が日本に残されていたからです。最悪の場合は、どれほどの惨事が起きていたのか。想像してみてください。二度と同じ過ちは許されないのです。

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また本書では、菊地さん自身が原発の仕事を辞してから反原発を決意をされるまでの7年間を、どうされていたかも綴られていました。

子どもさんお二人を育てることを最優先に考え、原発のことを忘れようとしながら様々なお仕事をされていたこと、そしてお子さんたちが自立された年に、自宅を売り払い、スクーターに乗って「反原発の旅」をスタートされたこと、などを理解しました。

原発をつくった私が、原発に反対する理由/菊地 洋一

¥1,470

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