子どもの問題が劇的に良い方向に~ペアレンティング・プログラム受講~

娘の学童保育所時代からの友人で、今はヴァイオリンの生徒のお母様でもある方から、子育て講座に誘っていただき、行ってきました。

主催は、チャイルドサポートバンク
。娘が学童保育でお世話になった指導員さんが立ち上げられた団体で、ラジオ番組を窓口に様々な子育ての専門家を招いてインタビューしたり、子育ての問題解決をサポートする活動をされています。

今回の講座は、イギリスのファミリー・ケアリング財団の「ペアレンティング・プログラム」というコミュニケーションメソッドを親子関係に特化して、わかりやすく例をあげながら、ワークショップ形式で学ばせていただきました。

講師は、このプログラムを日本で広めておられる専門家で、カナディアンアカデミー教師でもある西澤緑先生。

先生ご自身もイギリスで仕事と二人の子育てをされているときにこのプログラムと出会い、とても役に立ったので、日本に広めたいと思われたとのことでした。

講座には、発達障害の子どものお母様方や、ダウン症児のお母様、学校の先生など、子育てに様々な問題意識を持たれた方が参加されていました。

最初に先生が、日本人は「察してあげたい」「察してほしい」という気持ちを土台にしたコミュニケーションが主になりがちで、それでうまくいっていればいいが、子育てではそれが仇にあってしまうこともある。そんなとき、問題解決のために、欧米人の考えたコミュニケーションテクニックを取り入れてみるのも一つの方法ではないか、との説明をされ、なるほどと思いました。

以前に、「子どもの話にどんな返事をしていますか?親がこう答えれば、子どもは自分で考えはじめる」(ハイム・G・ギノット著、草思社)という本を読んだことがあり、とても役に立ったのですが、これに考え方が似ているなと思いました。

(後で講座の教科書を見ると、この著者の名前も出ていて、メソッドの土台の一つであるようです。)

子どもの話にどんな返事をしてますか? ―親がこう答えれば、子どもは自分で考えはじめる/ハイム・G・ギノット

¥1,470

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このペアレンティング・プログラムは、私のように、子どもの問題行動を叱っても叱っても、改善されるどころか同じことばかり起こる、という悪循環を断ち切るためには、格好のメソッドでした。

例えば、「親がめにとめる行動は増え、気づかなければ減っていきます。」という考え方。ダメな行動に目を止めて注意すればするほど、子どもは無意識にその行動をとってしまうようになる。一方、うまくできているときに適切に声かけすればするほど、良い行動が増える、というようなことです。

適切に声かけするとは、「そのようにしてくれて助かった。ありがとう。」など、評価的でなく、子どもの人格を尊重した言い方であり、「やったらできるじゃないの!」などネガティブな要素を含めないことが大切なのだそうです。

また、「その場で解決しようとしないこと。とりあえず危険回避させて、お互いが静かになった時に話し合う」や、「勝とうとしないこと。こちらが勝とうとすると子どもも権力闘争を始める。」など、たいへんヒントになりました。

質問もたくさんさせていただき、わが子の色々な問題を、非常に深く分析でき、悪循環を断ち切る方法も示唆していただきました。

具体的な例が豊富で、すぐにでも実践できるこのプログラムは素晴らしいなと思いました。今回はダイジェストで一回きりでしたが、本来なら8回のワークショップで、家での実践をフィードバックしながら、ステップバイステップで進んでいくメソッドとのことでした。

ワークショップのテキストを分けていただき読んでいます。

とても面白いです。

ヴァイオリンとヴィオラと子育ての日々から

そして、何よりも、講座を受けて家に帰ってから、早速子育てに応用していますが、子どもの問題行動が劇的に減りました!

親が変わったというのを子どもはここまで敏感に察知するものかと驚いています。

4歳の息子の私への暴言・暴力がほとんどなくなり、自分で着替え、自分で食事をし、初めてのお使いを成功させ、姉への暴力や喧嘩はいつもの五分の一ぐらいに減りました。「お母さんもう寝てもいいよ。」などやさしいことも言ってくれます。驚きです。とても満足しています。

今回深く考えさせられたことの一つに、子どもは親にたとえ殴られても怒鳴られても、「無視される」よりはいいと思っていたのだなあ、ということ。

親の注目を引きたいから、親が必ず叱るとわかっているスイッチを押してきてたのです。かわいそうなことをしていました。

それを少し矛先を変えてやるだけで、ここまでお互いに落ち着いて暮らせるのだなあと実感しました。

今回の講座を本当に受講してよかったです。

私が子育てに悩んでいるのを心配して誘ってくれた友人に、チャイルドサポートバンクのユカリさんに、そして西澤緑先生に、深く感謝です。

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