ハイポジションの克服
ハイポジションになると、とたんにオロオロなってしまいませんか?
または、手が痛いし、音も美しく出ない?
今日はこのことを解決するためのシンプルなエクササイズについて書きます。
まず、ハイポジションにすらすら~と移動出来るようになるには、その音の場所を手や指が完全にわかっていないといけません。
手始めに、第7ポジションの1の指の音、つまり開放弦のオクターブ上の音の場所を覚えます。
フラジオレットで鳴らせる音でもあり、開放弦が共鳴するので、正しいポイントにはまれば、すごく響く音です。
G線ならオクターブ上のソの音です。
これを、第3か第4ポジションか、手首が軽く胴体に当たるぐらいの手の位置から、軽く1の指をスライドさせながら、つまり基関節をスクロール側にいったん反らせたのを弦上に軽く着地させると同時に腕をスウィングさせて、弦上をスケートするみたいにすーっと指を滑らせ、高いソまで来たら止めます。
はじめは、弓なしで、右手は楽器の右肩にそえて楽器の保持にまわり、この左手のスライドする動きをスムーズに動けるように何度かやってみます。
「いける」と思ったら弓を持って、グイ~ンと滑る音をさせながら、ソが聞こえるまで滑ります。ゆっくりでOKです。
ただし、指先のタッチはごく軽く、決して指先を指板に押し付けません。
ソに到着しても、弦を指板に押し付けず、弦の外側(左側)の方に指を軽くひっかけるような感じで、内側(D線側)は弦が振動する余地を残します。
それと、よく親指は遊んでて、上の指だけで押さえようとする人が多いですが、むしろ親指の根元で下から押さえるぐらいの気持で、上の指とピンチで丸く掴んでいる感覚で支えることです。
ここにしっかり力を循環させることによって、指先が緩んだ状態でいられます。
次に、同じソを2を滑らして取ります。つまり、第6ポジションです。
次に、3でとります。つまり第5ポジション。
最後に、4でも。これは第4ポジション。この辺になると、かなり簡単に感じると思います。
これを全部の弦でやります。
これをやると、ハイポジションのとっかかりになる臍のような音が手の中に入る(ことを期待して目下私も練習中です。)のだと思います。
一緒に頑張りましょう!
なお最初は、正確な音程をフラジオレットで確かめながらやってください。
これらエクササイズはカトー・ハヴァスさんの以下の書籍に出ております。