ハヴァシュ式(9)左手〜4の指と共鳴振動

《レッスン9》左手〜4の指と共鳴振動

 ヴァイオリンの4の指のこわばりを取ることは、左手の技術に大きなインパクトを与えます。

 生徒を教えていても、あるパッセージが不自然であったり、音楽的でない時、その原因が、4の指にあることが多いです。パッセージに4の指を使わなければならないことにより、左手全体がこわばり、その鉛のように重い手を無理やりコントロールするのに精一杯で音楽どころではなくなってしまうのです。

 しかし、それを治療する画期的な方法があります。
ジプシーヴァイオリニストからヒントを得てカトー・ハヴァシュ先生が提案した4の指の和らげ方は、それまでどんなヴァイオリンの本にも書かれていなかったものです。

 「この治療法はどんな演奏者にも応用できると思います。手が小さい人、小指が曲がったり短い人でも大丈夫です。この練習法は音程全般に絶大な効果を与えるだけでなく、重音を弾く際にも緊張をとく効果があります。これまで私が指導にあたったなかで、最初はいかに困難に見えても、自然なヴィブラートのかかったよく響く音で、3度やオクターブを正しい音程で弾けなかった人は一人もありません。」(カトー・ハヴァシュ著「あがりを克服する」p.65、音楽之友社)

 私自身が証人です。私はこのやり方にしてから、音程への恐怖がなくなり、かつては不可能に思えた3度やオクターブの重音へのアプローチもわかり、心地よく弾けるようになりました。

 今日は4の指と、それに関連して、楽器を共鳴させる方法を約22分の動画にしました。あなたにレッスンするように、ていねいにお伝えしています。
4の指について、新しい視点がご提供できれば幸いです。