ハヴァシュ式(5)ボーイング〜幸せな奏者となるためのヴァイオリンブログレッスン
《第五回 ボーイング》
私がハヴァシュ先生のボーイングを実際に出来るようになったのは、初めて渡英して、グロリア先生の集中レッスンを受講した後です。
このボーイングを会得したことにより、ボーイングが演奏の足を引っ張ることがなくなり、演奏のとても楽になりました。また、色々なボーイング”テクニック”を意に介さなくなったのもハヴァシュ式のおかげです。すべては基本エクササイズ(第2回レッスン参照)でシンプルに説明できるし、それによってリズミックパルス(第1回レッスン参照)をそのままボーイングに移行させることができます。
まず、ハヴァシュ先生のワークショップ動画を御覧ください。
ハヴァシュ式ボーイングのエッセンスがここでデモンストレーションされています。
「ボウイングの次のステップは、肘、手首の関節の動きをさまたげる可能性をすべて取り除き、腕がみずからの推進力で動き、弓は腕の単なる延長線上にある、動きを伝えるだけの媒介物にしてしまうことです。
これを成しとげるには次のことを理解する必要があります。上腕、前腕の「重さのバランス」と弓の「1拍ごとの使用量の配分」は、ともに密接な関係にあるだけでなく、この2つを組み合わせることで、身体の内から湧き出て外へ向かうエネルギーとリズムを、音として表現するのです。わかりやすく説明すると、腕の長さ、弓の長さは、それぞれ2つのパートの輪であると考えます。すなわち、腕の場合は上腕と前腕、弓の場合は上半弓と下半弓です。しかし、単に長さを2分割するのではなく、重さのバランスがとれるポイントを中心点として考えるよう注意してください。」
(「あがりを克服する」カトー・ハヴァシュ著、音楽之友社)
何のことなのか??
実際どうやるのか・・・・???
自分の今弾いている曲にどうしたら適用できるのか?
出来てみると、ハヴァシュ式ボーイングは、ボーイング原理を最もシンプルに解説したものだと私は思っています。
このボーイングを理解し、実感できると、音が良くなるだけでなく、非常にヴァイオリンを弾くのが楽で、心躍るものになります。
レッスンで触れ合ってお教えするのが一番確実なのですが、動画の力を借りて何とかしてブログでお伝えできれば、というのがこれから数回の試みです。
どうぞ根気強く、動画の表面を真似るだけでなく、身体の内部の動きを想像しながら、スウィング感を得られるまで、やってみてください。
そして、「弓を押し付けてゴシゴシこすり、右手が痛い」というのとオサラバしましょう!