ヴァイオリンを始めるのに適した年齢は?”シェリングのLDの動画アップロードに成功!”

 

上記にヤマト先生が紹介されたシェリングの貴重な動画を拝見しました。

その中でシェリング先生が、「ヴァイオリンを始めるのに適した年齢は?」について話していました。

 

シェリング:

 

「音楽教育を始めるのは、遅すぎてはいけません。」

「音楽が嫌いな子供に、何であろうと楽器を始めさせるというのは良くありません。」

「子供がやりたがらないのであれば、強制してはいけません。」

「しかし、子供が音楽が好きで興味を持ったならば、すぐに楽器を習わさせるべきです。」

「興味が消えないうちに習ったならば、非常に容易に習得を図ることができるでしょう。」

 

とした上で、

 

「ヴァイオリンを始めるとしたら何才ぐらいが良いか。

「楽器によって始めるのに適した年齢は違いますが、ピアノには特に適齢はありません。私は5才でバッハのインヴェンションをかなり弾くことができました。これは異例なことでも私の自慢でもありません。ピアノに関しては子供が望み次第始めさせて良いでしょう。」

「一方、ヴァイオリンは、音楽というものをある程度勉強して理解してからが良いでしょう。」

「例えば、ソルフェージュやピアノなどはその基礎となります。」

「ヴァイオリンを始めるには、7歳から9歳、それくらいが理想的な年齢でしょう。」

 

(シェリング発言ここまで)

 

 

そういえば、先日私が開催した講師向セミナー、”〜はじめから美しい音で〜「弓は踊る」を使用したヴァイオリン手ほどき方法” においても、「何歳からヴァイオリンを手ほどきするのが良いか」という議論が活気づきました。

 

私の意見は、6〜7歳ぐらいではないかとと述べました。「弓は踊る」も7〜9歳の子供への手ほどきとして書かれています。

しかし、このように話すと結構衝撃が走ったようで、一人の先生が「しかし、多くの人は、プロ奏者が『3歳からヴァイオリンを始めた』などと言うのを聞いて、早くからやらせないとプロになれないと思っている。」と発言されました。

他の先生の質問などからも、早期教育が加速し、適齢期未満の生徒さんの教え方に苦労している教室の実態が少し浮き彫りになりました。

 

この先生の質問に関して言えば、そもそも、ソリストのプロフィールは、特殊な例といえます。例えば、習う習わない以前に親がヴァイオリニストであったり音楽の環境が整っていて、家に楽器も転がっており、後で振り返れば、3歳ぐらいからヴァイオリンで遊んでいた、というのをそのように表現していることもあるでしょう。普通の家庭に生まれた子供が近所の先生の門をたたくというのと同じではないと考えたほうがいいです。

また、ソリストというのは特別な星の下に生まれた特殊な例であり、目指してなれるものではありません。3歳からやればソリストになれるわけでもなく、またその才能を持っている子なら、何歳から始めても頭角をあらわすでしょう。

そういうことよりも、一般人の我々としては、まず子供の幸せのためにヴァイオリンを習わせるのですから、むしろ、その子供に適した年齢という考え方をするべきで、早く始めすぎるリスクという方がリアルな話です。つまりリスクとは、レッスンがうまくいかず、親子共々悩んだ末に一旦やめてしまうことになったり、最悪の場合は子供がヴァイオリンを嫌いになってしまうことです。そのようになることを思えば、適齢期に新鮮な喜びとともに始めて順調に成長する方がいいですよね。焦って早くからヴァイオリン教室に入れるよりも、その年齢に適した音楽経験をさせてあげるのが一番です。

 

早期教育はコツコツ努力型の日本人気質に合致しているのかもしれませんが、ヴァイオリンに関しては、早ければ良いというものではないと、私も考えています。