ヴァイオリン・マスタリー

ブログをご無沙汰しました。

今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、最近の毎日はエキサイティングです。

読み終わるのがもったいないぐらい、面白い本を買ったからです。

 

 
以前、キンドル版を読んだ感想を記事にしましたが、「ヴァイオリン・マスタリー」が立派な書籍になって発売しました。やっぱり紙は手に持ってパラパラできるから、いいですね〜。写真もたくさん入っています。
 
 

往年の巨匠たちの貴重なインタビューは、その域に達した人のみが語れる言葉に満ちています。私たちがこの楽器を携えて、行こうとしている芸術の高みを感じさせてくれます。

昔、メニューインの本を読んで感じた時のゾクゾク感を思い出します。
 
「どのぐらい練習するのが良いか」とか「ヴァイオリンの技術で最も大切なことは」などの質問をインタビュアーが投げかけるのに、巨匠たちがどう答えているか、知りたいですよね?
 
練習時間について共通しているのは、3時間以上練習するのは良くないと皆言ってます。やっぱりそうか〜と思いました。
立派なプログラムのリサイタルを複数かかえている巨匠が3時間です。
私ぐらいの活動なら毎日1時間で十分と最近思っていたところです。
何をどのようにやるか、中身が大事ですが。
 
それと、この頃=世界大戦の時代です。
演奏家たちが戦争をどう考えて、どう過ごしていたのかについて興味がありましたが、この本ではあちこちに記述があったのも、よかったです。
軍隊まで行ってインタビューして直後に戦死したヴァイオリニストも載っています。
また、クライスラーは、戦争が終わればもっと芸術は普及して良くなると考えていたようです。
モード・パウエルというアメリカの女性ヴァイオリニストは「戦争の一つの帰結として、ヴァイオリニストを含めすべてのアーチストが自己理解を深めるということがあると思うんです。つまり自分ができることがいかに素晴らしいか、そのありがたみに気づくと思うのです。」と言っています。とても共感します。戦争にならなくても、実感して暮らさなければいけませんね。
 
また具体的にも、この中で得た知識を、実際に演奏で使って、ものすごく役立ったことがあります。それは次回の記事に書きます!
 
ちなみに、この本の翻訳者の角英憲さんは、(私が「ハヴァシュ・バイオリン奏法」を訳した時にそうであったように)、出版のあてもなく全約されたそうです。しかし、角さんの場合は、AmazonのKindleにて個人出版の電子書籍として出版し、その実績を元に大手出版社から紙の本として出版されたそうです。そのようなやり方もあるのかと、大変勉強になりました。
ご興味のある方は、角さんのブログを御覧ください。