左小指が曲がっていても
私は左手の小指の先が、かなり内側(薬指側)へ曲がっています。
言うまでもなく、ヴァイオリンを弾くにはとても不利です。
メソッドによっては、”不可能”な場面がたくさんありました。
そして、その妥協点を見つけるために四苦八苦したり、特定の筋や筋肉を使いすぎて手を痛めたことももあります。
別の記事でも引用した「ヴァイオリン・マスタリー」(マーテンス編著 スミエイケン訳、Kindle)によると、イザイも左手小指がの先が曲がっていたとい興味深い記述がありました。イザイはそのためになるべく4の指を使わない運指をしていたそうです。
また、同書籍内で、レオポルト・ゴドフスキーという楽譜編集者は、色々な巨匠が監修した楽譜を製作してきた中で、クライスラーの指使いの特殊性についてふれていました。
クライスラーは「私はその気になれば3本の指でも4本の指と同様に演奏できる」と言っていたそうです。
バイオリンマスタリー: 名演奏家24人のメッセージ/作者不明
このような証言は、4の指が苦手な人には勇気づけられるものです。
私の結論として、4の指の使用に取って代わる技術を会得すれば、3指がいくらでも4の代用となってくれるし、十分に楽しく弾けるということです。
私はハヴァシュ奏法に出会って、初めてそれを会得したと感じました。
それには大きく分けて2つのポイントがあり、指板上のどのポジションも同じくらい快適になったこと、そしてシフト(ポジション移動)が全く苦にならなくなったことです。
このことによって、4がいやだなと思った瞬間ポジション移動して4を使わない運指ができるようになりました。
それが、私のような指の形の悩みの方にはどれほどの開放感か!
左手の4指(小指)が歪曲している人も、あきらめないでください。