焦点が絞れていないことを嘆く暇があれば、とにかく数をこなす

昔、マンションを買おうと、半年ほど、とにかくマンションについて調べまくっていました。

マンションの選び方の本を読み、セミナーにまで参加しました。

そして、希望していた広範囲な地域の新築マンション・中古マンションを足で見に行きました。もう片っ端から見ました。

気がついたら50物件ぐらいは見ていました。

知らず知らずのうちに土地勘や、人気学区や、各駅周辺の雰囲気まで体に入りました。

調べ始めた当初は、頭が熱くなるぐらい、頭で理想のマンションを想像したり、どのような物件がいいのか考えてチェックリストを作ったりします。しかし、その割りに、条件がブレます。これは譲れないと思っていたけど、あちこち見ているうちに、いやこれは譲れる、むしろこっちが譲れない、などなど。

そうやって努力している間に、物件を見ているようで、実は自分を見つめているのであり、自分に相応しいマンションと出会うための正しいアンテナができていったのだと思います。

結果、今住んでいるマンションに出会ったとき「これだ!」とその値打ちに確信を持って決断することができました。

今もとても満足して住んでいますが、ふりかえれば、当初の自分の「条件」からは明らかにはみ出た点が多くある物件です。

つまり、自分で設定した「条件」が的外れだったということです。

それだけ、マンションのこと、自分のことをわかっていなかったのです。

人は往々にして、このような間違いを犯すのではないでしょうか。

ことに、家を買うとか、結婚相手を決めるとか、重大な決断をしなければならないとき、あまりに自由すぎると、焦点が絞れない、無理に絞ろうとすると的外れな絞り方になる、ということが。

そういうときは、上記の経験からも言えるのですが、条件を絞らないことです。とにかく数をこなす、数を経験することがいいのです。

話はマンションから離れますが、知り合いが何度かの恋愛では結婚へいたらず、結婚適齢期をすぎてついに、結婚相談所に登録しました。

しかし、その人のやり方を見ていると、おせっかいながら、「それでは、あかん!」と言いたくなります。

相談用紙に相手に希望する条件の欄があるそうですが、そこに条件を狭めるようなことを書くのは得策ではないということが一つ。

そして、とにかく、仕事の休みの日、フル稼働で次々にいろいろな人に会うのが良いということ。

会ってみなければわからない!のですから。

頭で考えた条件に完璧にマッチしているけど、なんだか嫌な感じの人より、条件のいくつかはクリアしていないけど、ものすごくフィーリングが合う、一緒にいてホッとする人と結婚する方がいいに決まっています。

高い入会金を支払って、そのまま黙って待っているのはもったいないよ!

私がマンションを選んだときのように、わからないなりに、数をこなせば、自分自身を知ることになり、適した相手を引き寄せる念力が生まれ、「この人」という人に出会えるのだと思います。

がんばってほしいです。