どこを鍛えればいいのか?
弦楽器奏者はどこを鍛えればいいのか?
ルーチェの会ヴァイオリン・ヴィオラ講師の石川ちすみです。
脱力脱力というけれど、全身ぐにゃぐにゃでは当然弾かれません。
では、どこをしっかりさせればいいのか?
答えは、左手基関節です。
左手の指を動かしているのは、第一関節、第二関節のさらに下の、指の根元の基関節といわれるところです。
ここをお扇子を開くように、人差し指から小指まで斜めにひらいたときの各指間にできる空間、これが音程を作ります。
これが音の幅のドラマを作るのです。
私たちがやらないといけないのは、この基関節を反らしたり開放したりする動きを音の幅に合わせて準備して動かす訓練です。
つまり、音の幅を基関節に落とし込むのです。
私たち弦楽器奏者は、すべての音をここで捉えます。
ゆっくり次の音への距離感を感じて、それを基関節で表現するという訓練をすると、ドレミで歌った瞬間に、指がそのように開くのです。
音を聴いて音程が外れてから修正するというのと違います。
どんなに難しい曲でもこの基本には変わりありません。
まずは、すごくシンプルな譜面で、この訓練をしてみましょう。
ある音の後半分の音価(四分音符なら八分音符分の裏拍)で次の音に向けて、基関節をスクロール側に反らします。
次の音のタイミングが来たら、それを前へ開放して、弦の表面をスライドしながら次の音へ滑り込ませます。
わざと弓も止めずに、間のグイ~ンという音も入れて練習してください。
上記のことはカトー・ハヴァス先生の”A New Approach to Violin Playing”に載っていて、この訓練をするための楽譜もたくさん掲載されています。