ハヴァシュ式(14)左手6〜重音

《レッスン14》重音

 ハヴァシュ先生は常々、「Double-Stop(=重音)という言葉が大嫌い!!」とおっしゃっていました。Stopという単語が力みを生むからです。そうではなくて、「2つの音が調和するハーモニー、二重奏」だと思いなさいということなのです。ハヴァシュ式で重音を捉えて、注意深く練習をすれば、曲中の重音はとても楽しみな箇所となりますよ。 「 もしうまくできたなら、バイオリン演奏において重音ほど満足を与えるものはない。コードや重音を弾いてはじめて、バイオリンは独奏ができる、自立した楽器となる。ただし、楽しめたり楽しませたりするには、うまく弾かなけらばならない。そうでないと、重音はバイオリニストの最大の悪夢のひとつとな る。したがって、重音奏法は、いろいろなポジションをマスターした後、すぐにでも練習にとりかからなければならない。」

「ハヴァシュ・バイオリン奏法」(石川ちすみ訳、ヤマハミュージックメディア)

重音の練習法としては、「ふたつかそれ以上の基音とその倍音( 55 、56 ページ参照)を、同時に規則正しく振動させる技術が非常に大切で、ひっかくような騒音と不要な力みの重なりは避けなければならない。したがって、良い練習は、まずそれぞれの音を別々に弾き、音質が基関節からの自在なコントロールできちんと保たれているかを確認するのがよい。その後、非常にゆっくりした動きで、ふたつの音をピアニッシモで合わせ(それらの音は純正でなくてはならない)、耳に音を聴く時間をたっぷり与える。 背中、背骨、肩甲骨にかかった重みの感覚(35ページ参照) を絶対的な支えとしながら、曲げた右手親指の基関節( 46 ~ 48 ページ参照)が、ふたつかそれ以上の弦上に同時に絵を描くかのような機能を果たすのだ。重音を分けて弾く時、両方の指を弦上に置くが、指番号の若い方の指で弾く音がいつも最初 でなければならない。なぜならば、1 、2 指の基関節がしっかりすればするほど、3 、4 指が安定するのであり、それによって手首が硬くなる恐れを排除できる。」と簡潔に述べられています。

ハヴァシュ先生のレッスンで教わったこと、そして、私のブログレッスンで学んだことをどう応用すればいいのかの動画を作りました。

曲への適用として、ブルッフの3楽章の解説動画もあります。

今この曲を弾いておられる方、またはこの曲に憧れていた方は、ご一緒にハヴァシュ式で練習してみましょう!

重音が楽になると、曲のバラエティが増えて、ヴァイオリンが益々楽しくなりますよ!

2023年「ハヴァシュ式デジタルレッスンby石川ちすみ」として生まれ変わりました!