小5生徒「レが響くようになって嬉しい♪」

先日の記事が思いの外好評でした。

「弓は踊る」を使用している先生には、具体例がわかって心強いとの声もあり、そういう観点もあるのかと思いました。今日もなるべくていねいにレッスンの様子を書いてみたいと思います。

小5のNちゃんは、毎週きちんと通ってくれていて、入門2年目です。はじめから「弓は踊る」でスタートした生徒です。

Nちゃんは音に感受性が豊かで、変な音を出してしまうのがとても嫌に感じてしまうのと、音楽がわかる親御さんに批判されたくない気持ちがあるようで、家で練習をほとんどしてきません。

レッスンでは、他の子よりさらに丁寧に、必ず手をたたきながら歌わせることから始めて、左右別々のマイムなど準備をしてから弾かせて、さらに調整、という感じで、良い音で弾けるまで一緒に練習しています。

すでに、楽器と弓を自然に力まずに持てていて、音も大きく美しいです。

「弦は響く」で左手が入ってからは、左手の形を正しく作るのに少し苦労して時間がかかっていましたが、最近では「渦巻きの形は?」とか「全音と半音を測ってね」などと声掛けをすると、すぐに音程がハマるところに指を置けるようになりました。左手の形を作るためには、「弦は響く」教本の、折々のピチカートで左手に集中させる課題は必須です。今日は下巻のエクササイズ46のピチカートの課題と、続く曲を私が弾いている時に歌ってもらい、どこに短3度の手の形が出てくるのかを後で確認しました。すぐに答えることが出来ました♪

曲は下巻別冊の「クロッグダンス」の2回目でした。ピアノと合わせたら、G線の太い音が鳴り響いて、いかにも田舎の踊りという感じになり、一緒に楽しみました。この曲は教本に沿って、前回あらかじめ右手マイムとボーイング練習をしたので、ダウンが続くところや、限定された弓の使用場所も守れて、上手にコントロールして弾くことができました。

並行してやっているスズキ1巻は、イ長調のスケールと、「クリスマスの歌」の3回目でした。

スケールの時、押しつぶした音が出てしまい不快そうにしていたので、この機会に、弓の接触点と圧力の関係について詳しくレクチャーしました。そうして、再びスケールを弾いてもらうと、自分で上手に接触点を駒寄りにコントロールして、しっかりと美しい音で弾くことができました。

クリスマスの歌はボーイングが不必要に難しいので、スケールの前に弾かせるとうまく行きませんでした。「気にしなくていいよ」と声掛けし、このまま弾かせずに置いておこうかとも思ったのですが、スケールで音程もボーイングも整ったので、最後の一回のつもりで、再度ピアノと合わせたところ、きれいに弾けました!!これで、本人も私も納得した上で合格となりました。

すべての曲は、歌って、はじいて、マイムしてから弾かせています。結果的に弾けるまでに大幅に時間が節約できることを、彼女のレッスンから私も学んでいます。

レッスンが終わった後、Nちゃんは「レがすごく響くようになった!」とはしゃいでいました。

左手のコントロールが上手になってきて、開放弦との共鳴点を自分で探せるようになってきたのを本人も自覚していたことが、本当に嬉しいです。