ヴァイオリンはなぜ難しいのか
ヴァイオリンはすごく習得に時間がかかる楽器であることは間違いありません。
なぜそんなに難しいのか、そして、どうしたらその難しさを攻略して、最短で上達できるかを書いてみたいと思います。
まず、ヴァイオリンは、ピアノのように、安定した地面に楽器が置いてあるというのではなく、自分の鎖骨と顎の間に入れて、支えなければいけないという点です。
楽器を落としそう、という本能的な恐れから、楽器をギュッと挟んでしまったり、肩を上げたり、左手で強く竿を握りしめたりしてしまいがちです。
しかし、こうしてしまうと今度は繊細な演奏動作を妨げることになります。
このジレンマが最大の難しさといえます。
そして、弓も、あの長い棒を、小さなヴァイオリンの適切な一点から外れずに動き続けられるよう、右手でコントールしなければいけません。そして、弓も落としそうに感じて、ギュッと握ってしまうのですが、そうすると、今度は右腕の自由な運動を妨げてしまいます。
左手と右手の難しさは、動作をぎこちなくさせ、コントロールしようとしたときに指先からの力が加わってしまうと、初心者特有のあのいやなギーギーした音が出てしまいます。
「最初は仕方がない」「8年ぐらいしないと良い音が出ない」と指導される先生も多いようです。
しかし、最初の段階で、楽器の構えと弓の構えを正しく教えてもらえたら、それを避けることができるのです。
私が教えるときは、ここだけは時間をかけて、良い音しか出ないように指導しています。
この基本的な音の出し方は一生ものなのです。
曲ばかり進めても、基本の音を出すことがぎこちなければ、本人も周りも辛いですよね。
これを千本ノックのように、繰り返し練習で克服しようとされているとしたら、一度立ち止まって、基礎を見直してみましょう。
楽器については、過去にブログで書いています。
脱力と言われても、じゃあどこに力を入れたらいいのか?(1)
弓についてですが、この写真のように、手首を脱力して自然に垂らした状態を初期状態としてください。
そして、親指を自然な丸を作って、中指の第一関節と第二関節の間ぐらいに向かわせて、磁石でくっついたみたいに、ピタッと触れます。
ここで弓を支えることになります。
最初弓を写真のように縦にして、練習しましょう。
親指で棒と毛、両方に触れることがポイントです。
下の写真は、大人から始めた初心者生徒2回目のレッスンのときの写真です。
楽器の構えがきれいにできています!
こんな風に、楽器が自然に身体に沿った感じで、左手も写真のように、親指と人差し指で丸を作った中に自然にネックを落とし込んでいる感じになります。
ご参考にしてください。