【追悼】KHインタビュー(4)〜ホロヴィッツ、クライスラーの想い出
CT: どうしてこれほどたくさんの音楽家があがりを経験するのでしょうか?
KH: さっき言った通りよ。他の楽器のことはわからないけれど、基本的に、皆上手くないとダメだと思うからです。そして、間違うのを恐れるからです。そして歌わないことも大きいです。内なる歌がないのです。楽器は通信装置でしかないのです。
ホロヴィッツがある時、言いました。「どうして皆がそんなに私のことを騒ぐのかわかりません。私はただ聞こえて、指がそれを弾くだけなのに。」
音楽はそこにあるのです。そしてそれが欠落しているのよ。そうすると当然あがりがおこるわ。ブロックされているのだから。
CT: 先生はクライスラーとハイフェッツについて書かれていましたね。
KH: ああ、そうなのよ、クライスラー!いいですか、私はもうこの年だから、幸運なことにクライスラーを子供の頃に何度も聴くことができたのよ。彼とジプシーたちがいなければ、私はこのインタビューに答えていなかったわ。彼らは人を幸せにしたわ。ところで、クライスラーのルックスは肉屋さんみたいでね、彼が出てきたら、まずヴァイオリンを横に放り出して、聴衆のことをジーッと長い間見つめたのよ。「誰か知り合いはいるかな?」ってね。それから弾き始めたのだけれど、もちろん、魔法のようだったわ。本当に魔法。ときにはコンサートが終わっても1時間も帰らせてもらえないぐらいだった。ハンガリーでは聴衆はとても熱狂的なのよ。音楽的な国だったの。残念ながら変わってしまったけどね。私が子供の頃は恵まれていたわ。
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【連載バックナンバー】
KHインタビュー(2)〜天にも登るような発見!ニューアプローチの誕生〜
【出典】音声でお聴きになれます。
http://www.beyondstagefright.com/kato-havas/
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Japanese translation(c)Chisumi Ishikawa
続きはまた明日!