音が出る前に音を聴くトレーニング

ヴァイオリンは、一つの音を出すだけで、動きに複雑で繊細な協調が必要です。
左指は1ミリの半分でも音程がずれると調子っぱずれになるし、それと1秒の10分の1もずれずに同時に右腕を動かさないと雑音が鳴るし、右手の動かし方の角度がわずかでもずれると音が裏返ったり。
エイヤ!と出した音が酷い音だと、その音を聴いて自分が萎えてしまって、次の音の準備もままならず、次の音も酷い!ああああ~~~!と苦悶の間に曲が終わる・・・ヴァイオリン弾いてる人ならわかりますよね、この苦しみ。

歌を歌っているように気持ちよく弾ける状態にするというためには、どうしたらいいんでしょうか。

最もシンプルな答えは、音が出る前に音を聴くことと、ではないかと思います。
前の音を弾きながら、次の音を心でしっかり聴いて、そしてその時に、左手の基関節(指の根元の関節)にその指令を送るんです。
そして、その音が出た瞬間、もう次の音を聴いている。
自分の出しちゃった音はもう聴かないんです。それぐらい強力に心で歌う。

もちろん、このためのトレーニングは必要です。

第一段階は、自分が弾く楽譜を見てドレミで歌うことです。
膝で拍子を取りながらしかもノリノリで!。
声が出ない音域は、一オクターブ下げてでも歌えるようにトレーニングしてみてください。

(次回へ続く)

※この記事は、私の経験プラス下の本のメソッドに則って書いています。只今、鋭意翻訳中です!

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