究極の持ち方

究極の持ち方は、「持たない持ち方」です。
英語で、No violin hold / No bow hold と言います!

私はハヴァス先生に習った時、私の持ち方は楽器を持っていなくて、非常に良いと褒めていただきました。

それも、理由があります。
それは、以前に左肩を痛めてしまって、実際左肩を使って持つことが不可能になったからです。
少しでも楽器を「持つ」という動きを左肩がすると、激痛が走りました。
その時自分でした試行錯誤がよかったのです。

しかし、右腕は痛めたことがなかった。
満足ではないものの、なんとなく使っていました。
そこで、イギリスでは徹底的に右手のことを指摘されて、ボーイングを「持たない持ち方」でやることを教わりました。
自分に問題と思っていた左手の細々したことや楽器のセッティングも、右を変えたことで、解決にいたりました。

このように、不幸なできごとが、かえって本質に至らせるということは多々あります。

生徒を見ていても、困っている人ほど、熱心に学びます。
中途半端に頑丈な人は、力である程度できてしまうから、基礎に関心を持ちません。

どこかを痛めてしまったら、それはただ単に不幸な出来事ではなく、飛躍へのきっかけととらえてはいかがでしょうか。