私の音楽履歴書〈ロックへの傾倒〉

私の音楽履歴書〈幼少の頃〉
の続きです

思春期から23歳頃までは、パンクロック、ニューウェーブなどのロックに傾倒し、エレキベースでバンドに入り、音楽活動をしました。

憧れのイギリスに語学留学し、色々なライブを見歩いたりもしました。

ロックは、楽器の習得という概念を殆どすっ飛ばして、楽器を持ったその日から、表現が始まります。感性と音楽をダイレクトに結びつけて、自己表現を音楽の中に模索するという新鮮な体験でした。

そして、バンドというのは4人の奏者(ギター、ベース、ドラム、ヴォーカル)の役割が明確で、それぞれがなくてはならない要素を受け持ちつつも、孤独ではないのです。そういうところも大好きでした。

この要素は、弦楽四重奏の魅力に重なります。

私は、長い年月のヴァイオリン・ヴィオラ修行を経た今、カルテットを自分の夢にしています。

バンドを始めたのをきっかけに、ピアノのレッスンをやめてしまいました。

幼少の頃から、自分の持つ音楽性以上の譜面を音にする作業を繰り返す中で、アンバランスに成長していったのでしょう、ショパンに入ったあたりからしんどくなり、自分の限界を感じてもいました。

譜面を指の運動に置き換えて弾くということはできたけれど、音楽としてとらえて自分の表現として弾くという深いところまで勉強してこなかったから、必然的なつまずきだった、と分析できます。

この経験からも思うのですが、一通り弾けたからと次々に難易度の高い曲に進むという一般的なクラシックの教育方法では、よほど才能のある人を除いて、遅かれ早かれつまづきが来るとのではないでしょうか。

西洋の音楽を自分のものにするのは、それ程簡単なことではありません。

合奏など深い経験を大切にしつつ、その子の中にある音楽性の芽をゆっくり育てながら進むことが大切なのではないかと思います。

(いよいよヴァイオリンとの出会いへつづく)

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