第四回石川利光尺八リサイタル”SHAKUHACHI” HYPER BATTLE 2”

大阪府芸術劇場

1999年3月21日(日)13:30開場 14:00開演

Toshimitsu Ishikawa

 

■会場 :守口文化センター・エナジーホール
<〒570-0038 大阪府守口市河原町5番地Tel.06-6992-1276>
■料金 :前売:2,500円、当日:3,000円
■協賛 :大阪府・(財)大阪府文化振興財団

 

曲目

虚空 (尺八古典本曲)
俳曲 (ジョン・海山・ネプチューン作曲)
阿吽十文字 (藤井凡大作曲)
詩曲一番 (松村禎三作曲)
明暗対山流鹿之遠音 (尺八古典本曲)
末の契 (松浦検校作曲)

 

助演

中西京子(打楽器)
上島千佳(フルート)
池上眞吾(箏)
志村禅保(尺八)
小原清耿(三絃)

リサイタルによせて(チラシ掲載文)

今回のリサイタルは1997年11月の「SHAKUHACHI HYPER BATTLE」の続編です。前回は尺八と箏との二重奏を特集しましたが、今回は曲毎に共演の楽器を変え、パーカッション、フルート、箏、尺八、そして三絃との”battle”をお聴きいただきます。助演には私が各々の曲に、最もふさわしいと確信するエキスパートに登場いただきます。  それぞれに個性の違う楽器及び奏者と、時には融和し、また時には対峙し、スリリングな音空間を構築したいと考えております。

石川利光リサイタルによせて(プログラムより)

 (社)東洋音楽学会会長 久保田敏子 →「邦楽と舞踊」誌掲載のレビューはこちら

第4回リサイタルおめでとうございます。
石川氏の演奏を初めて拝聴したのは、もうずいぶん前だったと思います。以来、たくさんの曲を聴かせていただきましたが、聴くごとに、どんどんその不思議な魅力に惹きつけられていきました。
最初のうちはお目にかかっても、いつも哲学者のような顔つきで、あまりおしゃべりもされませんでしたので、きっと気むずかしい方に違いない、と思っていました。ある時、私が些か風邪気味の声でアナウンスの仕事をしていたとき、側に近づいてきて、たった一言「これ・・・」と言って大きな袋に入ったままの「のど飴」をポンと置いてくれた人がいました。振り向くと、石川氏が「ニヤッ」と笑って立ち去って行きました。氏の意外な側面を知って、ハートがキューンとなるほど感激したことを今でも思い出します。
石川氏の音色には透明感があり、その演奏解釈には知的なセンスが溢れています。尺八が本来持っている精神世界を実に見事に捉えていて、時には燃え立つように激しく、また時には官能的なまでに甘く囁きかけて、不思議な音の世界を作り上げています。
石川氏は大阪府芸術劇場奨励新人としての推薦を受けておられますが、今回はその総仕上げの演奏会ということで、いわば成績優秀な奨学生の卒業試験にあたります。ご本人の言葉を借りますと「古典回帰の色合いが強く、落ち着いた選曲になっている」そうです。
すでにリサイタルも回を重ね、演奏活動も積極的になさっておられますが、今日の日を契機に、さらなるご活躍とご発展を心からお祈りいたします。

ごあいさつ(プログラムより)

本日はお忙しい中”SHAKUHACHI HYPER BATTLE 2″にご来場くださいましてありがとうございました。
斯界の権威、久保田先生に”簡単で結構ですから何か一言”とお願いしたところ、上記のような過分なお言葉を頂戴してしまいました。特に尺八に関する箇所は「これ、誰のこと?」と思わず隣の人に尋ねたくなるほどの過大評価ですが、これは”将来こうなって欲しい”との期待を込めて書いていただいたと受け止め、今後も精進を重ねて参る所存です。
私も尺八を手にして早20年が過ぎました。まだまだ成人と呼ぶにはほど遠い、頼りない演奏ですが、尺八という人生を共にする楽器との出会いに感謝し、御支援下さる多くの方々との出会いに感謝し、本日は演奏させていただきます。
最後までゆったりとお聴きいただき、厳しい御批評を賜りますようお願い申し上げます。

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